見出し画像

時代

 ホームセンターに就職してから、一時はネクタイ着用が義務付けられていたが、制服が変わると、ネクタイをしなくてもよくなった。そのまま退職までネクタイを着用することは、なくなった。
 現在、いろいろな職業があるが、ノーネクタイの職種が増えた。僕が社会人になった頃は、ネクタイを締めるのが当たり前と思っていたのに。
 クールビズで役所でもノーネクタイになった。リモート業務のできる業種の人もノーネクタイである。営業職でも、ノーネクタイの場合が増えた。これは紳士服の販売店はあがったりだろう。ネクタイの売り上げもだいぶ減ったのではないだろうか。
 就職活動で買って、持っていたスーツやブレザー、ワイシャツ、ネクタイはほぼ捨てた。必要ないからである。息子も使うことがない。まさに冠婚葬祭の礼服だけが、ネクタイを締める唯一の機会である。
 最後に残していた親父の形見のネクタイも捨てた。これを締めて親父は高度成長時代を乗り切っていたのであろうかと思うと感慨深くはある。時代は変わっていく。

いいなと思ったら応援しよう!