彼方
時の流れのその向こう
銀色鳥の鳴く森の
小径に落ちた影踏みて
昨日のことを解きみる
澱みの中より羽根拾い
指で回してみたとして
光らぬものを日に翳し
空に帰れと投げ上げる
七色花の日にもがれ
褪せた肌に脈の痕
彼方に越えてきたものを
今日の私が焼き払う
銀色鳥のちかちかと
空のひとつになりにけり
月読丘の天辺に立ち
届かぬものに手を伸ばす
私を集めて流れを濁す
彼方を集めて火に翳す
喪い続ける切なさを
夜の粒子がまた埋める
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