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生と死の狭間で-響子のその後⑦

響子には夢があった。 今まで経験して来たことを本にすること。 それが出来れば響子は死んでもいいと思っていた。 実際のところ、本は書けていない。構想を錬るも いざ書こうとするとモヤモヤとその時々の感情が 戻って来てしまいなかなかに進まない。 本来なら書くことが好きな響子。幼少期の クリスマスプレゼントは決まって本だった。 小さな頃から本を読むのが日課になっていた。 ズッコケ三人組やホームズなど、ジャンルを問わず。 推理小説からフィクション、啓発本とジャンルを問わず。 小学生か

    • 生と死の狭間で-響子のキャラクター⑥

      響子は、2月生まれのロマンティストな魚座。 情に厚く、苦手な人でも困っていたら助ける。 また好みでないタイプでも押されたら断りつつも 絶対ダメな人以外なら「こういうところいいかも」 と、良いところを見つけるのが得意な響子は相手に 押し切られて付き合うこともこれまでは多かった。 16のパーソナリティでは、熱意に溢れる運動家。 クリエイティブかどうかはさておき、自由奔放で 笑顔になる理由をいつでも見つけたい社交的な性格。 なので、ちょっと飲みに行けば、ちょっと一人旅に行けば 老

      • 生と死の狭間で-詐欺師との出会い 変な男たち⑤

        いつ出会ったのか、もう響子の記憶にはない。 響子は出会い系バーラウンジに行き出してからというもの 男性だけでなく、女性とも出会っていた。そもそも 人生に置いてアラフォーになった今も、動けば 自然と人と知り合う響子には常に出会いというものがあり 尽きない。そんな響子だから、変な人に出遇う確率も高い。 福島のタワーマンションに住む、バツ2の学は アラフィフ石原裕次郎似の自称1,500万円プレーヤー。 最初は福島近辺の鯛めし屋はなびさんでのランチ加会食。 2回目は、有名な焼き鳥屋

        • 生と死の狭間で-生きることと死ぬことの葛藤 結婚への渇望④

          就職氷河期時代の響子にはその歳では少ないかも 知れないが20代で300万円ほどの貯蓄があった。 不動産会社から外食産業、外食産業から自営になり 7年もの歳月自店舗を経営していく中で、地域に お客様に愛され飲み仲間や経営者の同志に助けられ ときにトリプルワークやフォーワークをしながら 生まれ育った街で「ごはんやさん」を営んだ。 1年目から近隣の経営者の方々や自称神様と名乗る オキャクサマと呼べないような人々から洗礼を受け すぐに辞めようと思った響子であるがそれでも前述した 響

          生と死の狭間で-不動産会社編③

          響子がそこに入ったのは、知人の紹介で。 知人を介して、一度会ったことがある人の働く会社で 「今いる事務員さんが辞める」と言うので、 その代わりを探していると。「誰かいい人が居たら 紹介して」という話に響子自身が名乗りをあげた訳で。 早速、履歴書を持って社長面接に行くと即採用。 「いついつから働けるか」という話から 「では、来月からでも」とトントン拍子に話が決まった。 出社すると、ネイルバッチリの金髪美女が。 確かに社長は「うちはネイルも髪色も何でもいい」と 話していたが、イ

          生と死の狭間で-不動産会社編③

          生と死の狭間で- 響子の生い立ち②

          響子は、大阪の下町に生まれ育った。 新潟県出身の母と、京都出身の父の間に 4人兄姉の末っ子として生を受け人並みの愛情を貰い 健やかに、幼稚園、小学校、中学校、高校、そして 大学にまで進んで、就職氷河期を切り抜け 不動産会社に事務員として就職。 幼稚園は平々凡々に。小学生時分はマラソン。 長距離走が好きで町内会のマラソン大会では 運動部の面々を抑え3位入賞。小学校の大会でも 上位に入ること幾度となく経験。この時の 響子の夢はマラソン選手になることだった。 中学生になると、コ

          生と死の狭間で- 響子の生い立ち②

          生と死の狭間で①

          「死のっかな」と、響子は言った。 唐突に言われた達也は「え?」と返した。 「死のうかなって」と、また響子は言う。 驚く達也を他所に、響子はどこを見るともなく 虚な目をしながら深呼吸。大きな一息を吐く。 響子と達也が出会ったのは、昨年の10月。 まだ暑さが残る初秋、人恋しくなるには 早い時期であったが出逢い系バーラウンジで 女ともだちと来ていた響子の前に颯爽と現れた達也。 バツイチながら、見た目も中身もイケている。 アラフォーの響子は結婚相手を探しており。 中途半端な恋はも

          生と死の狭間で①

          好きと伝える意味

          とてもタイプだった君。 君が私と「付き合いたい」と。 そう言うから、勇気を出して取った手を 君は理解しているのだろうか。 「好き?」と訊かれる度 『好きだよ』と応えるも、君の言う 「好き?」は一体何なのだろうか。 君が望むのなら何度もでも伝えよう。 君が最初に伝えて来た「好き」の意味も 「付き合おう」って言った言葉も全部 まやかしにしか思えない私には感情が どこか欠落しているのだろうか。 いつか君が言った言葉の 「好きって訊くの何故だかわかる?」 「イチャついてるんだよ

          好きと伝える意味

          大丈夫だよ。

          誰かを信じたとして。 信じるのも、信じないのもあなた自身。 勝手に期待して、裏切られた、と。 そう、思うのも、あなたの主観。 信頼はリスクを伴うもの。 誰かが悩んでいたとして。 力になりたい。と、思うのは当然。 けれども本人が助けを求めていないのなら 何もせず、時には、傍に居るだけ。 解決しようとしないことが 実は1番の解決策。 誰かの悩みを 無理に話して貰うことはない。 話さないことも責めることじゃない。 ただ、話したくなったら、その時 いつでも聴くよ、と。 あなたは

          白と黒

          何事にも物事には順序があって 起因、経緯、結果(事象)がある。 誰の目から見ても変わらないこと。 誰かの目でみるから変わること。 誰かの目で見れば、それは白。 で、他の誰かの目で見るとそれは黒。 なぜ見る人によって変わるのかって? それはその人の、持ち合わせた感性。 生まれ持った感覚、固定観念、育った環境 さまざまなことで解釈が変化するから。 共通の概念をつくったとて、同じである。 既成概念、時代が違えば、人種が異なれば 同じ日本人だとしても、脳の回路が違えば 戦争に反対

          たゆたう花のように

          誰もみな何かを選択しながら 日々を生きている。貴方も私も。 あっちかな、こっちかな。 いや、そっちかも?と迷いつつ どれかを選んで生きて来た。 この道は間違いだったか。 あの道が正解だったか。どうだろうと どの道も正解で、正解か不正解かを 決めているのもその時の私。貴方。 人生において間違いなんてものはない。 すべてが正解で、失敗もまた成功への第一歩。 むしろ、後悔があるから、人は成長する。 人は悩める生きものだけに、学習する。 学習したら、次に同じことをしなければいい

          たゆたう花のように

          生きること

          生きることは罪ではない。 生きることは生かされていること。 誰のものでもない、あなたの人生、私の人生。 ときに、苦しむこともあるだろう。 苦しみ、悲しみ、絶望の中にあろうと 私たちには立ち上がるチャンスがある。 生きている限り、何度でも機会はあるのだ。 いま感じている苦しみも長い人生で考えると 幸福感や嬉しさを感じるためのスパイス。 また幸せを感じ、笑って過ごせる日は必ず来る。 明日に未来を見出せなくとも、いま現在 あなたは(わたしは)生きている。 そして、あなたは決し