経営戦略を変えるための今後1年間の挑戦
農産物の輸入の仕事をしています荒川防火水槽研究会と申します。名前は趣味のブログからそのまま使っています。
今働いている会社がいるのはB to Bの成熟したマーケットであり、うちの会社が一応トップシェアです。でも長年の無策によってシェアは逓減傾向です。
この状況に対してマネジメントが出してきた施策は、①客先の事業への自らの参画と、②マネタイズを伴わない周辺サービスの強化でした。背景にあるのは「高品質なうちの製品に値引き交渉するお客さんの方が間違っている、客先の事業を自ら行なって成功すれば自ずとわかってもらえるはずだし、周辺サービスを強化して差別化を図れば過当競争に巻き込まれなくて済む」という考え方です。明らかに間違っています。
この現状に対し、私自身はトレーディングの一部を担当するポジションに過ぎませんが、個人として不退転の決意で反旗を翻し、戦略見直しを提唱することを決めました。期間は1年間。何も動かなかったら去るのみ。
具体的に提案する内容は次の通りです。
1 本社と製造・販売会社の連結のコスト管理
組織が分かれているので複雑怪奇過ぎて原料から製品化されるまでのコスト構造が全く分かりません。リストラが進んでいる生産・販売と資材調達部門に対し、肥大化している本社と研究開発部門(本体職員の4割!も占める)が固定費を押し上げているのはほぼ間違いないのですが、それが見えなくなっているのが問題なので、見えるようにします。昔経営企画的な部署にいたので、これはできそう。
2 カテゴリー毎に開発・生産・営業を再編する
研究開発部門は色々凄いことをやっているらしいけど大学の基礎研究のような内容が多く、恐ろしいことに肝心の製品開発をあまりやっていないです。本社の商品開発部門は開店休業状態、このため製品の開発は、仕方がないので生産会社がそれぞれやっているという実態です。
このブツ切り状態を繋げて正常な状態にします。これは今度本社の商品開発部門を担当するMさんの力を借ります。
3 危機感を醸成して同士を募る
最近は販売数量が毎年1.5%づつ減少し、また粗利益単価もトン当たり50円づつ下がっています。これが10年続けば、固定費が変わらなければ利益はウン億円減る、と簡単に計算できてしまいます。
このシンプルな計算によって、会社の置かれた現状を理解させ、一緒に課題に取り組んでくれる同士を集めます。
4 他流試合を増やす
世間の動きに疎いので、競合他社においてwebでの受注が大半になっていることすら、最近までほとんどの人が気が付いていませんでした。
また、販売先では製造した後に発生する廃棄物の処理が課題になっていて、ある時生産・販売会社の社長が会議でその旨発言したのですが、本社の反応は無し。そういう情報に反応する感度が無くなってしまっているようです。
恥を忍んで顧客や他社と交流する機会を増やし、今業界で何が求められているのかを吸い上げられる仕組み作りを考えます。
どれも、 #三枝匡 さんの #V字回復の経営 に書いてあることばかりですが、現状は改革に必要な「トップマネジメントの参画」が欠けています。このため実施には相当の困難が伴うと予想されますが、いずれやらざるを得ない事なので、1年間取り組んでみたいと思います。