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【訪れた街】台湾・台北(1)優しい、一期一会

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さて、noteを始めたけれど、どうやって写真を整理しようか...と悩んでいたら、ふっと「訪れた街」と思いついた。コロナのために海外渡航がまだ制限されている今には、ぴったりだ。脳内旅行。

写真は2015年6月、ちょうど5年も前になる。母と訪問したことがあったので台湾は2回目になるが、2015年台湾は初めての海外一人旅となった。
まず桃園国際空港から台北へ。当時は直結するMRTはまだ完成しておらず、バスで一時間ほどかけて空港から移動した。

台北は、日本では「たいほく」と呼ぶが、「タイペイ」という言い方が私には馴染んだ。台湾の首都で「中華民国の直轄地」というものらしい。その、ちょっと遠回しな言い方に、歴史と今の複雑な事情が見え隠れする気がする。
台湾は、日本が統治していた時代もあった。今は、大陸の脅威に脅かされつつも凛と立ち向かっている。新型コロナの封じ込めに世界でもいち早く成功し、マスクも世界に無償で提供している国でもある。なんだか羨ましい。
九州ほどの広さを持つこの台湾には、大きなご縁があり、何度も繰り返し訪れることになるが、その独り立ちのスタートとなったのが2015年だった。

6月。日本は梅雨だ。が、台湾はものすごい暑さに覆われていて、私はすっかりこの台湾が、日本・八重山諸島よりももっと南だったことを忘れていた。
暑い、暑い、とにかく暑い。
6月の最高気温が、平均で38度。
ただ、台北は、建物が多いしMTRもあり、すぐに涼しいところへ移動できる。喉が乾いたらジューススタンドへ。眩しい日差しや、車や原付のクラクションをかいくぐりながら、次の目的地へとひたすら移動する。
ジューススタンドで、水分補給をしながら歩いた。台湾の友人たちに「オススメの季節は?」と聞くと、
「やっぱり7月や8月の頃かな。暑いけれど」
暑いけれど、とにかくフルーツが美味しい季節という。美味しいものが大好きな台湾人ならではの答え。確かに、パパイヤミルクは6月のしぼりたてが、最高に美味だった。

巡ってから分かるけれど、台北はやっぱり都会なんだと思う。台湾の南・高雄と比べて、物価も倍近い。MRTもバスもホテルも宿も便利だし、マッサージも夜市も、選び放題。お土産だってオシャレだし可愛いし、化粧品だって安いし、日本語を話せる店員もよく出会う。日本のパンフレットもだいたいが「台北」だ。

田舎育ちの私には、都会や首都とかいうものはとてつもなく大きくて、自分がポツンと立ち尽くしてしまうイメージを持っていた。自分との接点はどこにあるんだろう、と思ってしまうような、大きすぎて大きすぎて。偏見です。友達がいると、安心する。
けれどこの台北で、都会の中に、人々の庶民的な生活がいっぱい重なっていることに気づく。一歩踏み込むと「都会」という概念がちょっと崩れ始める。そう、都会でも「人」にちゃんと出会えるのだ。当たり前のようだけど、ちょっと違っていたことに気づく。自分から行くか、向こうから来てくれるか。
台北では、いっぱい、向こうから来てくれるのだ。びっくりするほどの、嬉しく優しい一期一会が。

MRTの中で困っていた時に、心配して声をかけてくれる、一人また一人。
「駅のホームはあっちだよ!」と気さくに言ってくれる駅員さん。
目があっただけで「あなた日本人ね?」と仲良くしてくれる、おばあさん。
挙げ始めたらきりがない。

台湾に魅了される人たちが口を揃えていう言葉は、
「台湾の人たちは、優しい」
台湾の入り口・台北で、いきなり最上級の出会いにいっぱい触れられる。台北で旅が終わっちゃってもいいくらいだけれど、でも、もっともっとある。



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