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ラッコの後ろ足の骨格標本

天井となった虚しさに
口遊んだ声には
舌に隠していた
言語が
内臓をはらまないみずからの
境界をわけ入り 切り裂いて
ほどけてゆこうと していた

あまりにもただよう風に
湖心の斑な氷は
汀の土埃までとかしていく
焦がしきって みすぼらしく
瑞々しいほどに
叫びの塵、屑へと

丸裸の翅
そう耳に映る

草地のある湖では
捲られない寝癖のついた本へ
隠し続けておかないと
むしり書いた舌の
いたるところで 明確な文字にならない
もつれ放しの腐り傷を

みあたると
観察をつづけていく
固執した傷
ぐらついた影はよろけ
燃えさしの壁に 
淡々しい手を預け倦んでいる



・舌の翅・


・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・

お久しぶりです。
ギリギリになりましたが、一ヶ月ぶり7月の投稿です。

今月は知識を取り込んだり、生活を整えたり、新しいことを覚えたりする月でした。今は新しい関係性をつくるなかで、少しでも自分が苦しくならないよう少しずつやっていっている感じです。と同時に、本棚を眺め読書したい気持ちはむくむくと育っています。

同じ都道府県でも土地変われば、その地の面白さは様々で、でもだからといって表面的で大きな差異ばかりがそれを醸しているとは限らない。そこからの枝分かれだと錯覚されてしまう自生していたものたちの流動する姿を目撃してるかのような本を今月は読みました。オルタナ旧市街さんの『踊る幽霊』です。今このタイミングで読めたことがとても嬉しいです。

ではでは、今月はこの辺りで。
来月は猛暑を半身でも乗り切っていたらいいのですが……。
皆さまもどうぞお気をつけてお過ごし下さい。

来月もこちらでお会いしましょ〜

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