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オタクに人気がある鉄道会社の共通点(2/2)

※前回の続きです。前回の記事をご覧になっていない方はこちらから。
お時間がない方はこの記事の「前回のまとめ」の章をご覧いただいても大丈夫です。

また、2005年のJR福知山線脱線事故、2019年の京急線での踏切脱線事故、2023年の宝塚歌劇団・宝塚音楽学校でのいじめ・パワハラ問題について触れる場面があります。気分を害された場合、気分を害す可能性がある方は速やかにブラウザバックしていただいて大丈夫です。


前回のまとめ

前回の記事ではオタクに人気がある鉄道会社のいい部分をまとめてきました。「伝統が受け継がれている」「車両がかっこいい」「サービスがいい」などですね。
その一方で、最後の章において「次回は内面に目を向けていく」といった旨の予告をさせていただきました。ということで、今回はその予告通り「オタクに人気がある鉄道会社」の内面に目を向けていこうと思います。

顧客満足度と従業員満足度

次に示すのはネット上で一時期話題になったダイヤモンド・オンラインの記事です。

京浜急行電鉄と言えば、快特列車の120km/h運転をはじめ、終日に渡る過密・高頻度運転、ダイヤ乱れ時の回復術等が、鉄道オタクのみならず一般の利用者の方々からも評価され、2015年には「わが国最高水準の安定輸送の実現」として国土交通省の日本鉄道賞表彰選考委員会より「高度な安定輸送実現」特別賞を受賞しています
こうしてみると先ほど提示したダイヤモンド・オンラインの記事にある「顧客満足度」は確かに上位と感じられるかもしれません。しかし、ネット上で「13連勤電鉄」と呼ばれるほどの劣悪な労働環境等から現業職員に「従業員満足度が最低」と言われるのも納得できます。
また、JR西日本も新快速の130km/h運転等顧客満足度は今でも上位と思われますが、昔行われていた過剰なまでの日勤教育によって当時の乗務員は苦しめられていたといってもいいでしょう。

重大案件との関連性

一昔前までは上で挙げた京急、JR西日本ともにファンからは好意的な目が向けられていました。しかし、ある時を境にその目は変わってきています。それは重大事故です。
JR西日本では2005年に福知山線脱線事故を起こしています。脱線した列車を運転されていた運転士は過去に当時の日勤教育を受けており、事故当日も72mのオーバーランをしていました。その際車掌にはオーバーランの距離を短く報告するように要請していたそうです。しかしそれでも2度目の日勤教育を恐れていたため意識がそちらに飛んでしまい、事故の発生に繋がったという説があります。それによって日勤教育の過酷さ等が明るみに出たということです。
京浜急行電鉄でも2019年に踏切道内にて脱線事故を起こしています。それ以来現業職員や元社員から内部事情の告発が多くあり、それを機にして京急の企業体質に対する疑問の声が多く上がりました。
また事故ではありませんが、この記事を書いている現在問題になっている阪急電鉄が運営している宝塚歌劇団・宝塚音楽学校でのいじめ・パワハラ問題も阪急の一つの分岐点となるかもしれません。
2023年11月14日に宝塚歌劇団の幹部が記者会見を開いて以来、ネット上では宝塚側はもちろん、阪急や阪急阪神ホールディングスの企業体質に対する批判の声が溢れています。「福知山や京急の脱線事故のときと同じ」といった声もあります。

鉄道オタクとの関連性

ここまででもう1400文字近く行ってしまったのですが2回で完結させると言ってしまったので最後まで書きます。
こちらも京浜急行電鉄の例が挙げやすいのでそれを用いて解説します。
京急は輸送障害時の「逝っとけダイヤ」等が鉄道オタクからもちろん高い評価や賞賛を得ています。京急側はこのクオリティを維持しようとするため、いつまで経っても企業体質や労働環境が改善されず、今のネット上で疑問の声が溢れている京急があるのです。過剰なまでに京急を称賛する鉄道オタクにも責任がないとは言えません。

おわりに

僕の語彙力のなさが災いし、長ったらしい文章となってしまい申し訳ありませんでした。
いずれの会社にせよすぐに解決できるような問題ではないので、この問題が解決され、職員さんや鉄道オタク、一般の利用客全員が快適に過ごせる環境づくりができるよう、温かく状況を見守ることが大事だと考えます。少しでもこのような問題がいい方向に進むことを願って。

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