問いかけの呪い…何気ない質問が思いがけない扉を開く
「仕事は楽しい?」「この仕事好き?」
新入社員~若手社員の立場だとよく投げかけられる質問だ。
上司や周りの諸先輩たちは会話のきっかけにと何気なく、そして無邪気にこの質問をぶつけてくる。
でも私には非常に危険な質問だ。
私は普段、楽しいか、好きか、なんて改めて考えて働いていない。そこに「楽しいか?」「好きか?」と聞かれると、「あれ、これ楽しいんだっけ?」「好きでやってるんだっけ?」なんてことを考えだしてしまう。そうすると、「よく考えてみたら好きじゃない」「もっと楽しいことが他にあるのではないか」なんていう邪念が浮かんでしまう。単なる日常会話の問いかけによって邪念の扉が開かれてしまったのだ。こうなってしまうと今まで苦も無くできていた仕事に急に集中できなくなってしまう。何という弊害だろう。
問いかけへの返答はたいてい「(それなりに)楽しいです」「(それなりに)好きです」に決まっている。100%本音ではないが、100%嘘でもない。でもどこか綺麗事を言った自分に嫌気がさす。
それでもやっぱりたまには綺麗事とか理想を口に出すことにも意味があると信じたい。口に出せばそれが本当のように思えてくることもあるのだから。言葉の力は強い。日々、言葉の呪いと上手く付き合っていきたいものだ。
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