12. 映画『Fukushima50』レビュー。日本が好む物語に惑わされるな~3.11から10年③
僕等が『筆舌に尽くしがたい』としか形容できないような場面に、人生で何回も遭遇することはないと思う。けれど、3.11のあの日、この世に生があった人間は等しく、そうとしか形容できない光景を確かに見た。多くの映像は津波の恐怖を編集なしで僕たちに突き付けてきた。目をそらす権利は僕等にはないように思われた。それは、この国で起きている現実だったからだ。
僕は3.11その日、テレビを見ることができなかった。停電していたからだ。数日間電気のない生活が続いて、やっと復旧して真っ先につけたテレ