ジャン=リュック・ゴダールさんが教えてくれた2,3の事柄
9月13日、仏映画監督ジャン=リュック・ゴダール氏がスイスで自殺幇助のもと亡くなったらしい。
スイスなのでphysician assisted suicideと思われる。つまり医師の助けを借りて自決したということだ。実態としては安楽死とほぼ変わらない。
スイスとて安楽死がカジュアルに行われているわけではないが、制度がちゃんとあるのは羨ましいよね。
個人的にはゴダールの映画を面白いと思ったことはない。大学生のころは映画を観まくっていたので、ゴダールの有名作はほとんど観た。
なにが面白いのかわからなかった。面白くないのではなく、私が観方をわかってないだけなのだと思い、できるだけたくさん観た。浅田彰が絶賛していた『ウィークエンド』とか『カラビニエ』などは劇場鑑賞した。ぜんぜん面白くなかった。
『ゴダールの映画史』とかいうクソ長いのも劇場で観た。ほとんど寝ていた。
ヌーベルバーグと呼ばれた他の監督たちの作品もたくさん観たが、なに一つ面白いと思えなかった。恥ずかしかった。
ルイ・マル『さよなら子供たち』と、エリック・ロメール『緑の光線』は非常に面白かったが、ヌーベルバーグのムーブメント終焉後の作品である。
結局わかったのは、知識人やシネフィルが激賞しているからといって無理して楽しまなくてよいということだ。
俺が好きなのは、チャールズ・ブロンソンとかスティーブ・マックィーンとかジャッキー・チェンとかシルベスタ・スタローンとかドニー・イェンとかチョウ・ユンファとかジェイソン・ステイサムが出演しているような、わかりやすいアクション映画がだったのだ。
それでなんら恥じることはないのである。好きなものを好きといってなにが悪いんだ。
つまり私は、好きなものを好きだと言える強さを、ゴダールらの作品を鑑賞することを通して手に入れたのである。
感謝して合掌である。
ひとつ断っておくが、私はおフランスの映画が嫌いなのではない。
ルネ・クレマンとかジャン・ピエール・メルヴィルの陰湿で不条理な作品はとても好きだった。
また、フレデリック・シェンデルフェルとかオリヴィエ・マルシャルみたいな、ネオ・フレンチ・ノワールと称される作品群は大好物だ。
邦題つけてる人たち、絶対わかってやってるよな。特に下の3つ。