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松本俊彦編『「死にたい」に現場で向き合う---自殺予防の最前線』読んだ

2016年に松本俊彦先生が編纂した「こころの科学」の特集を、コロナで若年者の自殺が急造したことをうけて書籍化したもの。KindelUnlimitedだし、おまえらの大好きな仁藤夢乃さんも寄稿しているぞよ。

「死にたい」と口にする人は、死にたいと、人生の重荷や苦痛が軽くなるなら生きたいの間を行ったり来たりしている。ある意味当たり前だが、とても重要なことだろう。

そして現場で奮闘している方々の志は尊いと思ったのだ。

とはいえ、松本先生の『誰がために医師はある』よりはだいぶつまらないなあと感じてしまった。

希死念慮を持つ人々には注意深い対応が必要であり、本書に登場する支援者の皆さんはそれを心がけておられる。だが本邦の、なんでもかんでも繊細な対応が求められる情況こそ、労働者を追い詰めているのではないかと私は思っているからである。

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