佐藤優『神学の履歴書』読んだ
サブタイトルに初学者のためのとあるが、全く初学者向きではなかった。
現代人と価値観を共有している神学者ということで、自由主義神学とか弁証法神学とかが取り上げられている。
近代以降、自然科学などの発達にともなってキリスト教の教理も変わらざるをえないという現実があったわけである。
またキリスト教と国家とのかかわりも、特に第二次大戦終了以降のドイツにおいては重要であった。そういう問題はローマ帝国の時代もあっただろうし、なんなら戦前日本のキリスト者にとっても抜き差しならない問題だっただろう。
しかし近代の神学に国家社会主義と親和的なところがあったのは、ハイデガーがナチズムに協力してしまったことと同様、わりと洒落にならないのである。
また東欧の共産主義はキリスト教を排斥したが、フロマートカのように共産主義国家の内側で神学者を続けた人もいた。第二次大戦中はプリンストン大学で教鞭を取っていたから、チェコスロバキアに戻る必要はなかったのに、そうしたのである。
というようなことが書いてあるのは理解できたが、詳細なところは全く意味がわからなかった。初学者向きでは全然ない。作中で初心者が独習するための書籍なども紹介されているのだが、どれもこれも良いお値段するんだよね。もっと手軽なやつはないのだろうか。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートは執筆活動に使わせていただきます。