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反ワクチンや代替医療にまつわるあれこれ
Delta Variantが跋扈する昨今、なかなか興味深い記事があった。
アメリカでワクチン陰謀論の信じやすさは年収に対してU字カーブを描き、年収$50,000~75,000の層が一番信じにくく、それより低くても高くても信じやすくなるが、$100,000以上の層が一番信じやすい、という調査結果が出たそうなhttps://t.co/1BJm9AJWsZ
— ultraviolet (@raurublock) August 13, 2021
Bloombergの元記事はこちら。
ハーバード大学などの研究者が20669人のアメリカの人々にワクチンにまつわる誤解について調査したものである。不妊の原因になる、DNAが変化する、探知機が仕込まれている、中絶した胎児の組織が入っているの4つの誤解である。年収10万ドル以上が、1つ以上について真であると解答した割合が最も高かった。
4つとも誤りと答えた割合に関しては年収2万5千ドル以下で最も低かった。
収入の多い層に関してはまあそうだろうなあと思った。我々の業界では、「先生」と呼ばれる職業の人は理解が得られにくいことが多い、というのは常識である。これにはもちろん医師も含まれている。
理解が得られないと、代替医療を選択されてしまうこともしばしばある。代替医療とは標準医療でないものというほどの意味であるが、まっとうな医師からすると、治療成績は標準よりもだいぶイマイチだったりする代物である。
それらの人々は収入が多く、代替医療を持ちかけてくる人がいっぱいいるとか、高価な代替医療を賄えてしまうといった事情はあるだろう。しかし、彼らは頭が良いために自分の頭で考えてしまうのが大きいのではないかと思われる。
自分の頭で考えるよりも巨人の肩に乗ったほうが良いように思われるのだが、個人の主観的な幸福観というのはそんな単純なものではないようだ。専門家から見れば「生兵法怪我のもと」にしか見えないとしても、守りたい価値観がときにあるものらしい。
その代表がスティーブ・ジョブズであろう。彼は膵臓腫瘍で亡くなったが、それは予後不良な膵癌ではなく、おそらく膵内分泌腫瘍であったと考えられる。私はその分野における日本の権威といっていい人々に教えを受けたので、ジョブズに関してそりゃないぜと言いたくなったこともあた。
しかしスティーブ・ジョブズはそのように自分の頭で考えてしまう人間だったからこそ画期的な商品を生み出せたといえる。おかげでたくさんの人が幸せになった。本人が幸せだったかどうかは知らないが。
世の中はこういうトレードオフが溢れているから興味深い。アメリカは感染者をどんどん出してしまうような国だから、mRNAによる画期的なワクチンを開発できたと思えてならない。そしてそのワクチンによって彼らはマスクを外し、自由を謳歌している。そして頑なにワクチンを拒否する人々の自由も守られている。
というようなことを考えると、本邦ではファイザーやモデルナの画期的なワクチンはあまり必要ないものだったし、開発される動機もなかったといえるかもしれない。
私はファイザーのワクチンを3月に接種している。私は頑丈なので必要ないと思ったが、それでも社会が正常化するためには必要なことだし、まだ副反応が懸念されていた時期だったから医療従事者は率先して接種すべきだと思ったのである。
そして現在、かなりワクチンが浸透してきたが、結局はワクチンを接種しても自粛は継続しなければいけないようである。なんのためのワクチンだったのかと言いたくなるが、こんなことはある程度は予想されていたので騙されたとかナイーブなことを言うつもりはない。しかし、高額のワクチン問診バイトを得るために、医師らは危険を煽っているのではないかと言われてもしかたないのではないか。私はヘイトや分断を煽りたくないのでそのバイトの金額はここには書かないが、興味のある人はググってみるといいかもしれない。というか給与の金額みたら腹立つので私は見ないようにしている。ワクチンの問診などという医師の中でもド底辺の仕事がこれで、私たちが普段やってるもっとややこしい手術に対する時給がはるかに低いのかと思ってしまうからだ。もちろん賃金は難易度ではなく需要と供給で決まるからしかたないのは理解している。
私怨でめちゃ話がそれてしまった。
もともと感染しても重症化するリスクが極めて低い人々にとってはほぼメリットはなくなってしまった。ワクチンが普及しても自由に出歩けない状況が変わらないのに、どうしてリスクを背負って打たなくてはいけないのか。
私はもちろん、ファイザーやモデルナのワクチンの安全性は極めて高いと今でも思っている。しかしそれでもゼロではない。若年者が亡くなることのコストは感覚的には無限大である。だから、いくら重篤な副作用がおこる確率がゼロに近いといっても、ゼロではない以上、期待値としては無限大になる。
ベネフィットとリスクの天秤は結局のところ主観的なものになるほかないので、ワクチンを接種しない健康な若年者を責めることはできない。麻疹、結核、風疹、HPVなどのように、若年者に明白なメリットがあるわけではないのだ。
これに対して、若くても重症化することがあるからワクチン接種しろと言う人もいる。そんなに危ない病気なら、なぜ最初から若年者も対象にしなかったのか?命の選別ではないのか?
そもそも若年者であっても高い確率で死んだり、死にかけるような危険なウイルスなら、そのアブナイウイルスがうようよしてる場所に毎日出勤してる僕らはなんなん?てことになるよね。
別にええけど。
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