中国の少子高齢化
モーランド先生に続いて少子化シリーズです。
先日、こちらの記事で紹介されたレクチャーを聴講したのである。
中国の少子化はまじでやべえということがわかった。
まず中国が日本や韓国と異なるのは、昔の農業の生産責任制とかいう、家族の人数が多いほど農地面積が広くなる仕組みのせいで、男児の価値が高かったことである。これに一人っ子政策が組み合わさり、女児の中絶や遺棄が激増したといわれる。
だから男女比が男に偏っているのである。これに合計特殊出生率の低下が加わると、劇的に少子化が進行する。
そんなことは中国共産党の中の人だってわかってるから、2016年に産児制限が緩和されて、出生数が増えたのだが、それも一瞬で元通りになり、またコロナ騒動も始まったこともあって、少子化は再加速したのである。
さらに2021年には第3子出産を奨励するもほぼ効果なし。また同年に離婚に冷却期間をおく制度が始まり、離婚件数は減ったが、冷え切った夫婦をさらに冷却しても子供生まれるとは思えない。。。
その一方、日本ほどではないにしても、高齢者福祉は充実しつつあり、地方自治体における高齢化率と財政赤字に相関がみられるようになっている。日本と同じく財政赤字が慢性化する兆候があるようだ。
政府や自治体が高齢者福祉を制限しようとすると反対デモがおこる。もはや中国共産党といえど高齢者の意向を無視できない。どういう政体であれマジョリティの意向に沿って政治が行われるほかなく、それは日本でも中国でもいっしょだなあと思った。
中国共産党は強圧的な政策をしているようにみえるが、マジョリティの意向に反しない範囲でやってるだけなのだろう。
こうなると日本といっしょで、高齢者福祉のために現役労働者を搾取せざるをえなくなって、共産党とは?ってなるんでしょうね。
残念なことに、中国は一人当たりGDPで日韓台に全くキャッチアップできないまま経済が沈んでいくことになるだろう。
以前に中国共産党が塾などのシャドーエデュケーションを取り締まっているという記事を紹介した。
学校以外での教育熱の高まりが東アジアの少子化の大きな要因である。中国共産党はアホじゃないので、それを禁止しようとしているが、科挙の国でそんなことできるわけないだろう。高齢者に逆らえないのと同じことだ。
だから絶賛、少子化進行中なのである。
中国のような権威主義的な国でも少子化が止まらないのに、自由な日本で中国より高い合計特殊出生率を維持しているのは奇跡的なことに思えるのであった。