西部邁『蜃気楼の中へ』読んだ
友人に勧められていた西部邁のエッセイを読んだのである。
西部邁を勧めてくる友人がいるなんてのは本当にありがたいことである。
本書は1977年から1978年の2年間、西部がUCバークリーおよびケンブリッジに留学していたさいのエッセイだ。ちょうど私ども団塊ジュニア世代が生まれたころだね。
また西部は30代終盤であり、まだ自裁なんてことは考えていなかったころだと思われる。
アメリカに市海岸といえど人種の坩堝である。ある種の人種にとってはながれ着く場所であっただろう。
また日系人の親しさにも出会ったりする。そして、そんなことは、ユーラシア大陸ではこんなことが日常茶飯事だったのだろうという認識に至る。
これらの矛盾を西部は持ち前のユーモア、鷹揚さでもって乗り切っていくのである。消費者が労働者をとことん追い詰める現代では考えられないことだ。
関連記事
いいなと思ったら応援しよう!
サポートは執筆活動に使わせていただきます。