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高齢者の癌の手術について思うこと

京都もDelta variantが跋扈しているようだ。先日それに関して、京都大学大学病院、京都府立医大病院など京都府内の大病院の院長名で声明が出され、ちょっと話題になった。

京都大学と京都府立医大が昔は仲が悪かったのはよく知られていることで、どちらも他大学出身の教授はたくさんいるのに、京大には府立医大卒の教授はほぼおらず、府立医大には京大卒の教授はいなかった。まあ今はそんなことはないけどね。

そんで、その両大学や、それぞれの関連病院が合同で声明をだしたわけである。背景が真っ赤で赤紙などと称されている。京都の医療関係者の危機感がにじみ出ていると言えよう。

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あの病院長、手術部の部長だったとき、手術部主催の飲み会のあいさつでは必ず「今日出席してない診療科は手術枠を減らすかもしれません」と言ってたな。懐かしい。

まあそんなことはどうでもいいか。

文書を要約すると、今回のパンデミックの第n波のせいで、集中治療室の使用を制限せざるをえず、高侵襲高難度手術ができない、かかりつけのがん患者の急変対応ができない、救急症例に応需できない、といった可能性に言及されている。

これらは首都圏で現実におこっていることであり、前もって正直に言っておくのは妥当な対応であると思われる。後から聞いてないとか言われたくないもんね。

またこうした事態に備えて、府民に明らかに感染の誘引となる行動を控えるようにお願いしている。このお願いも妥当であろう。後藤隊長のように「お願いじゃあ聞かないわけにはいかないか」となる人もたくさんいることだろう。

というようなことを踏まえた上で、上記声明で触れられている高難度手術について思ったことを書いておく。

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