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『ねじまき鳥クロニクル』おもしれーな
村上春樹シリーズだ。
この記事にも書いたように『ねじまき鳥クロニクル』読んだ。
たしかにこれは面白い。楽しく読めた。
未来も自分もかわりうる、それが良い方向であれ悪い方向であれ。今の自分に固執しなくていいという気分になれる。村上春樹の作品を読んでいるとそんな気分になる。
また本作では主人公の妻が出奔するというNTR要素まである。私にはそういう趣味はないのだけどね。
クロニクル=年代記というタイトルが示唆するとおり、人間は過去からなにかを受け継いでいる、そういうことを意識させられる作品だった。
自分は自分だけで構成されているのではなく、先祖たちの努力もあって存在しているのである。それを理解すれば、遺伝子も実力のうちということが腑に落ちると思われる。
しかし、村上春樹の登場人物たちはたいてい子供がいない。過去からの蓄積には関心があっても、それを次世代につなぐということにはあまり興味が無いらしい。子孫がなくては現世のことしか考えられず、自分が生きているということ以外に価値を見いだせないというニヒリズムにおちいる。
だから村上氏は悪い意味でも現代的な作家なのだなあと思った。
主人公簡単にセックスできすぎなのは本作でも相変わらずである。作中で少女にまわりに女大杉じゃねと指摘される始末である。
まあこれは現実ではなく小説なのでいっか。
これで村上春樹の長編は4つ読んだことになる。満足である。
一番好きなのは『ノルウェイの森』かなあ。
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