見城徹『たった一人の熱狂』読んだ
見城徹という人のことを知ったのは高校生のころだ。当時は村上龍の小説をかたっぱしから読んでいたので、『五分後の世界』も出てすぐ買った。これは幻冬舎創設後最初に出版された本の一つである。
あとがきに角川をやめて幻冬舎を創業した編集者見城徹のために書いたとあった。売れっ子の作家がそこまでするほどすごい人なんだなあという感想を持った。
なおこのとき幻冬舎から本を出したのは、村上のほか、五木寛之、篠山紀信、山田詠美、吉本ばなななど。
その後たまたま幻冬舎の株式を売ったり買ったりする機会があったものだから、『編集者という病い』を読んだ。
悪く言えば自慢話の羅列なのだが、それでもすごい人なんだなあと感銘を受けた。特に尾崎豊との関わりについては胸を打たれたのであった。
最近ちょっと思うところがあって、また見城徹氏の著作を読んでみたいと思ったのだ。
もちろんKindle Unlimitedだったせいもある。
基本的には『編集者という病い』と書いてあることはかわらない。目新しいのは幻冬舎上場廃止の顛末くらいかな。
有名な「薄氷を踏み抜け」という言葉で知られるように、見城徹はひたすらリスクを取りまくってきた。しかし、リスクは圧倒的な努力で最小化できる、らしい。
そのためには、小さなことでくよくよする、些細なことを疎かにしない、といったことが大事らしい。下足番を命じられたら日本一の下足番になりなさいと言ったのは小林一三だったか。
そういうわけなのでもっと仕事に熱狂できたらいいなあと思うのであった。
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