『東大卒ママたちに教わる、 「東大脳」を育てる3歳までの習慣』読んでみたよ

たまには育児ネタでも。

大仰なタイトルであるが、東大の卒業生に幼少時にどういう教育を受けたかアンケートをとったものである。あっさり読めるのでよいです。このての本の常で図書館の予約待ちはまあまあすごいことになっているので、購入しました。

東大卒ママというとなにかevilなことを書きたくなるし、それを期待する向きもあるかもしれないが、本稿では取り上げない。

それはさておき、こういう対照をおいて実験できない、介入研究がほぼ不可能な事象ではどうやってもエビデンスレベルは低くなるほかないし、話半分で読むしかないというのは東大にいけるほどの脳味噌の持ち主なら誰でもわかると思う。
しかし参考になる部分もけっこうあったので紹介しよう。もちろんそれらが学歴的予後を改善する証拠はないし、学歴がよければより良く生きられるというわけでもない。でもまあ少なくとも害はなさそうなことばかりであった。

毒にも薬にもならない可能性もないわけではないが、そんなに時間やお金がかかるわけではないから話半分で読むぶんには問題なかろう

指摘されていることの多くは言語に関するものである。例えば、感情を込めて語りかける、歌を繰り返し聞かせて言語能力を伸ばす、しりとりや連想ゲームで頭の回転を速くする、赤ちゃん言葉は使わない、具体的な質問をする、絵本を読んだら感想を効く、形容詞をつけて語りかける、なるべく接続詞を使わせる、人形遊びで対話力を鍛える、などなど。今すぐ実践できることばかりだ。役に立つかどうか知らんけど、少なくとも害をなすことはなかろう。

それ以外で印象に残ったことは、リビングに図鑑を置いて疑問はすぐ解決にする、だ。電子書籍やアプリの図鑑は良いものだが、気が済むまで触れる紙の図鑑を推奨している。これはそのとおりだと思う。家には紙の図鑑、出かけるときは電子書籍かアプリという布陣がつよつよと考えられる。


もう一つは、積み木、折り紙など指先を使う遊びで空間認識能力を鍛えること。空間認識能力は早期教育が最も威力を発揮する分野のひとつと言われているし、あとから鍛えることが難しい能力であると感じる。空間認識能力のあるなしは様々なことに影響する。例えば、手術の指導などをしていても個人差が大きく、そして習熟の早さはこれにかなり依存するように感じられる。

それから最後のほうに「親が勉強してる姿をみせるのが一番大事」って書いてあった。本当にそう思う。

外国語についての記載はあまりなかった。幼児期からの外国語学習は母語の習得の妨げになるリスクと常に隣合わせである。母語も第二言語も小学生レベルみたいな大人になったら悲惨である。毒にも薬にもならないフワッとしたことを羅列するという本書の趣旨にはそぐわないということであろう。これについては良書がいくつかあるのでそちらを参考にされたい。なかでも以下の2冊はマジでおすすめだ。


オマケ:最近買ってよかったもの

なんの気なしに買った鼻毛カッターだけど、これはなかなか良い。電源を入れて鼻腔に突っ込むだけで鼻毛がいい感じに剃れます。微妙にくすぐったいのもなんか気持ち良いです。

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