オリンピック卓球競技ミックスダブルス水谷・伊藤ペア金メダル素晴らしい!
オリンピックいい感じに盛り上がってるね。私はスケートボードを初めて真面目に見てとても興奮している。そしてこの分野における日本人のプレゼンスにも。
日本人の活躍は自国開催ということもあって非常に熱くさせてくれる。そのひとつが昨日の卓球混合ダブルス決勝であろう。
この記事で中国ペアが金メダルとサラッと書いてしまった。それくらい圧倒的と思っていたのだ。2ゲーム連取されてもまあこんなもんだよねと思っていた。最終ゲーム8−0とリードしても勝てると思っていなかった。各国の選手が中国を何度も追い込んだがそのたびにひっくり返されてきたのを知っているからだ。
中国がオリンピックや世界選手権で負けたのって、スウェーデンの黄金時代であった1997年男子シングルスで天才ヤン・オベ・ワルドナーが1ゲームも落とさずに優勝した伝説のマンチェスター大会、スウェーデン時代の終わりを飾った2000年の男子団体、そしてスウェーデン没落以降は2010年シンガポールの女子団体、2017年混合ダブルスで石川佳純と吉村真晴の混合ダブルスくらいしか記憶にない。世界選手権は2年におきに開催されるが、ことごとく中国が優勝をさらってきたのである。あ、2004年に柳承敏が金メダル取ってるわ。韓国はソウル大会でも劉南奎が金取ってるのでまあまあすごいな。
さて昨日のゲームを少し振り返っておく。
2ゲーム連取されたが、ここでまず驚いたのが、伊藤美誠が許听の後方からのドライブをカウンターしていたことだ。許听のドライブはめっちゃ回転かかってしかもめっちゃ曲がってくるのでも男子選手でも手を焼くのに、カウンタースマッシュしていた。しかしこのボールを当てて止めに行くと回転に負けて弾き飛ばされる。それならばしっかり叩いて自分のボールにして返す方が良いという発想は結果的には正しかった。また正しくするとためにかなり事前に特訓していたに違いない。
混合ダブルスでは、女子選手が男子選手のボールを受けるのが厳しいとよく言われるが例外はいくらでもあって、この日の伊藤美誠はむしろ劉詩雯のボールに苦労しているように見えた。
第3ゲームは色々うまくハマって何とか取れた。ここで10−8から10−9に追い上げられた時に、タイムアウトを取るべきと解説の宮崎さんは言ってたし、私も取るべきだと思った。しかし取らない。この時点で2人と田勢コーチは行けるという感触があったのだろう。このゲームは取れる、この先にもう一山あるという判断だったと思われる。そしてそれは正しかった。
第4、5ゲームも日本ペアが連取した。この頃には水谷の攻撃が冴えまくっていた。水谷が攻撃して大きい展開に持って行くと、伊藤の表ソフトラバーによる変化が効果的になる。劉は割とうまく変化に対応していたが、台から離れた位置に陣取る許は前後の揺さぶりについていけずミスが多くなった。
第6ゲームも同様の展開だったが、伊藤に少しミスがあったのと、許の必殺豪腕ドライブが炸裂して最終ゲームへ。
最終ゲームは水谷のパワードライブ、伊藤のスマッシュが炸裂しまくりあっという間に8−0になった。先も述べたようにこの時点で勝てるとは思わなかった。解説の宮崎さんはしきりに「打ち切れ、攻めきれ」と言っていた。強気になりきれずに中国人に捲られるのを宮崎さんは何度となく見てきたからだ。
これは勝てるのかなと思ったのは、10−5で伊藤がめっちゃ笑ってた時だ。こんな胃に穴が空きそうな場面でなぜ笑っていられるんだ?この20そこそこの女の子はいったいどういうメンタルをしているんだ?とあっけに取られた。
ハラハラドキドキしていたのは周囲だけで、本人たちはめっちゃ楽しんでいたようだ。
何にせよおめでとう。
銀メダルに終わってしまった中国ペアだが、劉詩雯は水谷と伊藤の捨て身の攻撃を何度となく防いだし、持ち味も十分に発揮した。許昕は台上ではさすがだったが、本領発揮とはいかなかった。水谷伊藤がさせなかったというべきか。
しかし、勝つことを義務付けられ、負けて元々とばかりに向かってくる挑戦者たちを幾度となく退けてきた。たった一度それをできなかったからといって誰が責められようか?
彼らにはまだ団体戦がある。本来のプレーで楽しませてほしい(日本戦以外で)。
銅メダルは鄭怡静と林昀儒の台湾ペア。政治的に難しい立ち位置にある同国にとっては非常に価値のあるメダルだ。宮崎さんも言っていたように、日本ペアはよく台湾ペアを抑え込めたと思う。また林はシングルス、団体戦でも活躍が期待される。
今日はこんなところで。シングルスは今日明日あたりから盛り上がってくるので、時間のある人はぜひ卓球観てください。