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#855 広報論38|採用広報 虎の巻 ~何処で働くのかではなく、"誰と働くか~

引き続き、今回も採用広報に関して掘り下げて勉強したいと思います。

これまでは「採用広報の意義」と、「求職者を安心させる為の心構え」を紹介しました。

今回はより具体的に施策に関して紹介しますが、今回は「従業員」と、その「従業員の見せ方」にフォーカスを当てた内容を紹介したいと思います。
つまりは「誰と働くか」を重視した、採用広報手法ですね。


「何処」で働くか or 「誰」と働くか

就職活動をするうえで、企業選びの軸は色々とあります。
業種であったり、職種であったり、年収であったり、勤務時間であったり、勤労場所であったり、色々と選ぶべきポイントはありますが、その上での優先順位は千差万別です。

正解は無いので、その人の価値観によって優先度が変動するイメージであり、「年収が誰よりも大事」という人もいれば、「やりがいが一番大事」という人もいます。そしてその価値観はライフステージなどによっても変わるので、一概にはこれ言えないんですね。

ただ、どのような会社で、どのような価値観に重きを置いて働くにしても、重要なのは「一緒に働く人」では無いででしょうか?

例えば、すごくやりたい仕事を1人でやって感じる達成感もあると思いますが、そんなにやりたいわけでもない仕事を3~5人でやって、チームで喜びを味わうのも、違う達成感があると思いませんか?

この辺は個人競技と団体競技の違いとかかも知れませんが、チームプレイに重きを感じる人は多いので、「誰と働くか」を重視する採用広報は増えておりますし、従業員の情報は出しすぎてNGと僕は思っていないので、この辺を強化して損は無いと言っても良いでしょう。

まずは、訴求する対象は誰が良いかを考えてみましょう。


採用広報で「誰」を出すか?

1. 社長(会長など会社のTOP)

まず、社長(もしくは)の顔出しは絶対に必要です。
企業=社長だったりするので、可能な限りトップのカッコいい写真を用意しましょう。写真はカメラマンとか、スキルの高い人が撮影した方が良いです。iPhoneのカメラとかも高性能ですが、こうした公式の写真はちょっと値段も気合入れましょう。
また、SNSとかの更新が多ければ、SNSアカウントも添えるのが良いでしょう。


2. ボードメンバー

社長しか出ていない企業は、どうしてもワンマン社長である感が否めないので、No.2やNo.3の登場もお勧めします。
大抵コーポレートサイトの幹部メンバーページで、取締役や執行役員の方が紹介されますが、その際には経歴などもしっかり情報として合った方が良いですね。
「この大学出てるんだ」とか「***で働いていたんだ」と分かることで人となりが具体化しますし、親近感も湧きますし、キャリアイメージもつきやすくなったりしますね。


3. 若手メンバー(新卒)

若手がいることは強く押し出していきましょう。
新卒採用を行っていたとした場合、「新卒採用を行っている」と知らしめるだけでも見られ方は変わっています。
そもそも新卒採用は、企業が大きくなっていく過程で行うカルチャーだったりするので、「新卒採用を行っている位だから、業績しっかりしてるんだな」と見られたりするんですね。
そしてこれは暗黙の了解であり言葉にするのも憚られるのですが、イケメン&イケジョに登場してもらうのがベターですね。理由は言わずもがな。


4. 採用担当

そして最後は採用担当ですね。
採用担当が最も求職者との距離が近く、コンタクトが増え、採用広報でももっとも発信する機会が多いと思われるので、自身がどのような存在であるかを広く、多く知らしめる必要があるでしょう。
そして採用担当は元気があって欲しいですね。常に元気いっぱいで登場するのが良いかと思います。


採用広報で「何」を出すか?

「誰」のリストアップは完了しましたが、その上で次は「何」を出すのかを考える必要があります。
これは色々と必要なものがあるのですが、時系列で整理するのが分かりやすいでしょう。

1. 過去の情報

その求人情報を見ている時点から、1秒でも前の情報は全て「過去」の情報となりますが、その会社が過去にどのようなことをやってきたかは伝えるべき情報ですね。
形の見えない未来より、形の見える過去は説得力があります。

例えば沿革などを会社の歩みを上手く見せるのは有用です。
どういう経緯で会社が事業成長してきたかが伝わりますし、売上規模・従業員規模などで伸びている推移が出せれば尚良いでしょう。
そして、それが従業員とクロスオーヴァーしていれば最高です。
このプロジェクトはAさんとBさんがやったみたいな事が分かれば、より具体性は増しますね。

他にも前述の通り、「会社に入社するまでのキャリア」「入社しようと思った経緯」などが分かれば、求職者は親近感を持つことができるし、自分事として考えることができるので、過去の情報は重要です。


2. 現在の情報

過去をつみあげて、今何を行っているのか、ですね。
例えば、「これまで***の経緯で成長しているので、今***のポジションが必要です」、などと言った説明はストーリー仕立てで分かりやすいですよね?
なので、今現在何が起きているのか、何をしようとしているのかを明記することも重要です。
求職者の視点でいえば「今から一緒にやろう」という観点ですね。


3. 未来の情報

そしてこの先、会社が「どのような事業戦略を持っているのか」「どのような展望を持っているのか」を知ることも重要です。
この辺も採用広報の観点では企業はアピールしていくべき項目ですね。


よって、「誰(WHO)」と「何(WHAT)」は洗い出せたので、それをHOW(どのように)出していくかを、ちょっと整理してみましょう。



採用広報を「どのように」を出すか?

ここからは掛け合わせで考えていきましょう。
従業員にフォーカスを置く採用広報において、大事なのは「誰を出すか」なのですが、「誰の何をどのように出すか」で考えた方が良いですよね。

1. TOPメッセージ(過去・未来)

まずはTOPメッセージですね。
これまでの会社の歩みと、これからの会社の歩みの両方の説明がベターです。シンプルに分かりやすく、力強く、求職者にメッセージを伝えましょう。


2. 求人募集記事(現在)

(これは採用広報とはちょっと違いますが・・・)
現在の募集職種を書きますが、その上で募集要項の項目に多くあてはまるというか、「こんな人に来て欲しい」というペルソナに沿った方の写真があった方が良いですね。


3. 社員インタビュー(過去~現在)

そしてこれは大事です。
「なぜこの会社に来たのか」「入社してからこれまで何をやってきたか」
この2点は具体的であればある方がいいですね。
これを見て自分を投影できるので、若手も中堅も、マネージャーも誰でもインタビューはあった方が良いですね。
その上で、「読みやすい」「分かりやすい」文章を作っていきましょう。


4. 社内イベント(現在)

誰と働くかと言う観点においては、社内イベントの広報はメチャクチャ大事です。イベントで社員の人となりを見ることがとできますし、こうした発信はファンを生みますし、「自分もこの会社で働きたい!」というモチベーション向上に繋がります。
会社のイベント毎に、イベントレポートを出すくらいの勢いが良いのではないかと個人的には思ってますので、この辺はこまめにアップデートしていきましょう。


5. 社員ブログ・SNS(現在)

そして理想は、採用担当だけではなく、社員の方ができるだけ多くメッセージを発信してくれることですね。
例えばブログを色々な社員で書けたりすれば、それだけで会社の勢いだったり、良い雰囲気を伝えることができます。
エンジニアにしか分からない魅力は、エンジニアに伝えてもらった方が良いので、そうした取り組みも重要ですね。



これらを発信した結果…

個人的なケースを紹介すると、上記の1~5のような発信をハイペースで行ったことで、目に見えて変わったのは「PV数」でした。
そしてPV数が増えると、SEOの検索順位が上がりました。
そしてSEOが上がったタイミングで,肌感ですが応募は増えた感覚がありますね(特に直接応募が物凄く増えました)

求職者と面談をしても「インタビュー見ました」「ブログ見てます」の声もあり、応募の後押しになったりと、効果を体感することができました。

故に、従業員を押し出すことは、必要なのでどんどんやっていきましょう。

ちなみにチャネルはコーポレートサイト以下のドメインであれば理想ですが、更新などを考えるとnoteやWantedlyで問題ないです。

それでは長くなったので今回はこの辺で!

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