コーヒーとスペイン語
大航海時代に一気にコーヒーが世界中に広がり、スペイン人もその中心に存在しています。植民地に原住民やアフリカ黒人などを使って開墾させ、コーヒーの生産を増やした時代です。コーヒーは南北問題を象徴する産物なのです。いわゆる低賃金で大量生産されたコーヒーを消費国(当時の先進国)で消費するというものです。仮に一杯コーヒーが100円としたなら原価を差し引いた付加価値のほとんどは消費国で生まれています。これではコーヒーの素晴らしさを享受しているのは消費国の人たちだけで、生産国の人たちは苦労ばかりで生きていくためだけにコーヒー生産をしているようなものです。それが近年、干ばつ、霜害、投機行為などから価格が乱高下することが多くなってきていました。生産者はそれに翻弄され多くの人がコーヒー生産をやめていきました。コーヒー産業の持続可能性が失われたのです。
この危機の解決を果たすのがスペシャルティコーヒーで、価格の決定基準を品質においたのがスペシャルティコーヒーです。美味しいコーヒーが高い。当たり前のことですが、コーヒー業界では意外と確立できていませんでした。スペシャルティコーヒーは1999年にはじまったカップオブエクセレンスという品評会とオークション形式で価格を決定する仕組み、これが軸となり美味しいコーヒーとは何かということが世界中に広まったのです。消費国と生産国、対等な関係です。美味しいコーヒーが生み出す感動と笑顔は同じくらい生まれなければなりません。コーヒー産業の持続可能性は笑顔の持続可能性です。
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