ねじの話 「ドリルねじ3」 断熱材等を挟む場合 木質材の取付け
前回のねじの話「ドリルねじ」のvol.2ではドリルねじ特有の「ジャッキ現象」や「ドリルの焼き付き」、「取り付け物の破損」といったトラブルを避けるためのkeywordは”適応板厚”(メーカーにより様々な呼称あり)である事を理解して頂けたことと思います。
断熱材を挟みこむ・木質材を取り付ける
今回はその応用、ボードや断熱材等部材を挟みこむ場合や木質材を下地鋼板に取り付ける場合について考察します。
下地鋼板へ厚みのある木質材を取り付ける場合には「下穴開け」と「タップ立て」が同時に起きないようにするため ・中厚板用や厚板用 ・リーマ付き ・パイロット付き ・半ねじタイプ を使います。
重ねた鋼板の間にボードを挟み込む中厚板用や厚板用使用の場合
締結する板厚Tは(上部鋼板厚T1+ボード厚T2+下地鋼板厚T3)になります。
T=T1+T2+T3≦(最大適応板厚)
上部鋼板に先穴がある場合
締結する板厚Tは(ボードT2+下地鋼板T3)になります。
T=T2+T3≦(最大適応板厚)
リーマ付・パイロット付き・半ねじタイプ使用の場合
リーマ付き
ドリル刃後端に取り付けたリーマ(はね)により削り取られるため木質材へはねじ山が掛からず推力が生まれません。リーマは下地鋼板に達すると飛び散ります。
パイロット付き
断熱材やボード類を挟み込む場合挟み込まれる素材にねじ山が形成される場合はパイロット付きで対応します。
半ねじタイプ
間に挟まれる部材がねじ山の形成されない断熱材等の場合には半ねじタイプでも対応できます。
「ドリルねじ特有のトラブルを避ける」のまとめ
ドリルねじは1本で「下穴開け」、「タップ立て」、「締め付け」が出来る優れたねじですが、「下穴開け」と「タップ立て」を同時に行う状況でトラブルが発生します。これを避けるためには適応板厚に注目。
(締結する板厚)≦(最大適応板厚)
にすることで ・ジャッキ現象 ・ドリル刃の焼き付き ・締結部材の破損 等のトラブルを回避できます。
次回はドリルねじを使ってどれだけの厚みの部材を下地に取り付けることが出来るかを示す「適応板厚」についての理解を深めます。
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