正しく考えるとは
この連休、いかように過ごしていましたか。
COVID-19の感染状況を考え、自宅で巣ごもりしました。これまで読むつもりで購入しておいた、書籍を片っ端から読みました。5冊、読み終えました。
そのような中で、気になることが出てきました。
正しく考えるとは、どのように考えることなのかと。そもそも正しいとはどのようなことなのか。逆に間違っているとはどのようなことなのか。ある集団にとって正しいことも、別の集団にとっては間違っているのではないか。読書をしながら、そのような単純なことに突き当たりました。
高校時代の恩師からは、悩んだときは、歴史と哲学に返りなさいということを教えていただきました。過去の失敗と成功から、似た事例を探すこと。そのうえで、その事例のどこが似ていてどこが異なるのか、問い続けることこと。先人たちも同じようなことを考えているはずである。まさにそれが哲学であると教えていただきました。
教師は、子どもたちに正しいことを行うよう指導します。その根底には、正しく考えることを教えるはずです。正しく考えると正しいことは異なっても良いと思います。自分が正しいと考えたことには、それを間違っていると考える集団があることを意識すること。それが、正しく考えるということではないでしょうか。
ここのところ本を読み進めていくうちに、この大事なことを、自分はきちんと伝えてきたかなと疑問に思うようになりました。まさに学び続けているということを実感するとともに、知らないこと、深く思いを巡らせていなかったことが多くあるなということに気付きました。
出口治明「座右の書『貞観政要』中国古典に学ぶ 世界最高のリーダー論」(角川新書)に、恩師の言葉に近い言葉をあげられています。
それは「人類の歴史に照らし合わせて考えることをタテ思考、世界の人々のさまざまな状況に照らし合わせて考えることをヨコ思考と呼んでいます。タテ軸は、先人の話を聞くことであり、本を読むことです。ヨコ軸は、自らの足で世界を歩き、見聞を広めることです」と述べています。
あなたがたは、授業に参加して得ている知識によって、タテ軸が形成されつつあるのでしょう。また、部活動や委員会活動、ボランティアなど、自らが主体的に行動を起こすこと、そしてそれらを振り返り文字化することによって、見聞を広げているのだと思います。
まさに、正しく考えるための心の器を作っているのでしょう。
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