「文化」の 【化】 の話
「文化」と熟する「化」の字は、匕が本字です。これは、「人」の字を倒した形で、人が倒れて尻餅をついている象(すがた)です。正常ではないこと、尋常ならないことを表しています。のちに、人偏を重ねて「化」としましたが、意味はほとんど匕のままです。
化の字義は「変化」という熟語に最もよく現れています。「教化」というと、教えて人々の生活を変化(改善改めさせる)ことです。「貨」は色々な品物に姿を変える貝の貨幣のことでした。「訛」は妙に形を変えた(ナマリ)のことです。「囮」は野生動物などをだますオトリのことです。
人が転んで尻餅↑
因みに、「老」の字の下部も匕です。老人の毛が白く変化する意味を表しています。また、「死」の字は歹(がつと読みます。残骨)と 匕 を合わせた意味で、人が倒れ死ぬ義となります。
「真」のは眞。本字は㋕です。神草の上に 匕 (尋常ならざる人、超越的生命、神人)を書いたものです。