断わる時は感情に包装紙をかけると大人っぽくなる
コミュニケーションに失敗してきた私の経験から気付きを得た、過去の私にシェアしたい大人のコミュニケーションノートです。
前回、断る為には自分の感情を知ってから隙を無くそうという事を書きました。
ちなみに頼む側ならこちら。
断わりたい事をどのように伝えるか。今回は自分の本音を理解した上で感情にラッピングをしよう、という話です。自分の本音が「めんどくさいから」で止まってる方は前回の「断る時は隙を無くして本気で行く」からどうぞ。
隠すのではなく、ひと手間かけるのがラッピング
大人のコミュニケーションという視点で考えると、プレゼントを渡す時はそのまま渡すことはあまりないと思います。気心の知れた友人同士でも、紙袋くらい入れようと思いますよね。このひと手間って「持ち帰りやすいように」という相手を思いやる気持ちの表れだと思うんです。
お願いごとをされる時を思い返してみると、こちらの都合やら気分やらすごーく気にして声をかけてきてくれてませんか?「相手を気遣ってくれる」そういう相手だからこそ、頼まれたことを断りにくいという点もあると思います。
なので「返事」というお返しをするときも、本音そのままでなくラッピングをして相手が受け取りやすいようにひと手間かける。それが今回の感情をラッピングする、ということです。ここで大事なのは、本音という中身がないまま、ラッピングだけ渡しても相手は納得してくれないということ。
お断りする際、本音は見せる必要はないのですが、人間って思ってる以上にぜーんぶ顔に出ちゃいます。だから本音が大事なんです。中身がないのにあるように見せる演技力があれば別かもしれませんが、普通はなかなか難しいと思います。では実際にラッピングする方法です。
断わる理由=ラッピングを選ぶ
本音がどうであれ、相手に伝える言葉は「具体的に~~だからできません」にする必要があります。「嫌だからやらない」はかなり相手を選ぶお返事方法ですよね。言い訳としてはちょっと子どもっぽい気もします。
レベル①仕事を言い訳にする
一番多そうなこれ、断る理由としては弱いのでレベル①です。例を挙げると
「お手伝いしたいのですが、仕事が忙しくて無理です」
→「それでもやってる人はいるから大丈夫です、お願いします」という感じで押し負ける可能性があります。仕事を言い訳にするなら、自分の本音を含めて具体性を足し、最後にはっきりお断りしましょう。
「私にできるかよく考えたのですが、今季から新しい部署になり時間に余裕がありません。今後のスケジュールがどうなるかわからないままみなさんにご迷惑をおかけすることが私にとって一番ストレスになります。本当に申し訳ないのですがお断りします」
「私が困る」という自分目線だと迫力がでます。でも頼んでいる側も必死な場合、これでも押し切られる可能性が残っています。ここまで伝えると「あの人は融通が利かないのね」という印象を与えられるので、無茶なお願いはされにくくなると思います。
レベル②家族を言い訳にする
これも、場合によっては弱い言い訳です。なぜなら育児も介護も「あ、みなさん同じですから。それでもできますから大丈夫です」と言い切られちゃうから(実話です)。なので、家族を言い訳にする場合は具体的に「どれだけ今、時間が取れないか」をアピールする必要があります。さらに自分の本音を混ぜることがポイントです。
「これから同居するか施設を探すかきょうだいで話し合うんです。時間もそうですが、気持ちに余裕がなくて。申し訳ないのですが出来ません」
「家族の仕事を手伝っているのですが、今年から体制がかわり私の負担も増えました。家族を支えることに全力を注ぎたいので申し訳ないのですが、お断りさせてください」
本気具合が伝わるかどうかは自分の本音が混じってるかどうかにかかっています。だから本音を知ることが大前提です。
レベル③自分の体調を言い訳にする
これは「頼まれやすい人が断りたい時」に絶対成功する言い訳としてこっそり教えてもらったものです。わかりやすいですよね。
「私が体調悪いからできない」
持病があるかもしれないし、一時的な症状のこともあるでしょう。病名を聞くのも失礼な気がするし相手もそれ以上突っ込めない。嘘の場合、ばれると気まずいので誰でもOKではありませんが。
3つの言い訳に効果がある理由は共通しています。
「出来ない理由(本音)がちゃんとあって、はっきりNOと伝えている」ということです。あれこれ胡麻化すと苦しくなるので、自分の本音を理解した上で丁寧かつきっちり断る。きっちり伝えないと相手に「まだ押せるかな?」と隙を見せてしまいます。
それならやってもいいんじゃない?という人のタイプ
断わり方を書いてきましたが、やったほうが自分にメリットがある場合もあります。
①自分から動けない人
②知り合いが少ない人
③関わっていることに知識が少ない人
この3つに当てはまる人で、大した本音が出てこない場合はやってみてもいいと思います。とりあえずやってみると、自分の得手不得手が浮き彫りになり、その後の選択がしやすくなります。そうすると、もっと断りやすい自分に近づくのではないでしょうか。