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赤ちゃんがいるよと伝えた日

昨日,お母さんのお腹に赤ちゃんがいることがわかりました。

お父さんとお母さんは,最初は🌻ちゃんが生まれた2年後くらいに弟か妹がきてくれたらいいなと思っていたんだよ。けど,🌻ちゃんがかわいくてかわいくて,もっとずっとあなたをしっかり見て抱きしめていたくて,赤ちゃんに来てってお願いする勇気がでないまま時間が経ってしまいました。

だんだんお姉さんになって,「赤ちゃんのお世話がしたい」って保育園の下の子やお人形のお世話を一生懸命する🌻ちゃんを見て,お父さんとお母さんは何回も話し合いました。そして,いろんな心配はあるけど,2人とも絶対に守るって決めて,おいでってお空にお願いをして,やっと,赤ちゃんがきてくれたんだよ。

実はお母さんは,🌻ちゃんが生まれる前に,お腹の赤ちゃんがお空に帰ってしまったことがあります。その時は,これまでがんばってきたことが何もできなくなるくらい悲しかった…。だから今も,ちゃんとこの子が生まれてきてくれるか心配です。でもだからこそ,赤ちゃんを守るためと,もしお母さんがしてあげられないことがあった時に🌻ちゃんに理由を知っていてほしくて,早く本当のことを話すことにしました。


昨晩,保育園で1日がんばって帰ってきたあなたは,ちょっと甘えちゃんモードでした。夕食のかぼちゃを小さく切って出したのが気に入らなくて,じゃあママの大きいのあげるって言っても,ちがう!って席を立ってしまいました。叱る必要もない,小さな「甘えたい」のサイン。でも同じく1日がんばったお母さんもちょっと疲れていて,これからこういう小さいことで🌻ちゃんを叱りたくなることが増えたら嫌だな,お母さんの状況を話すなら今だって思いました。そこで,「いただきますの前に大事なお話があるからおいで」って言ったんだよ。

あのね,今,ママのお腹に赤ちゃんがいます。

そう伝えると🌻ちゃんは何て言ったと思う?

最初に言ったのは「やだ!」だったの。

ずっと赤ちゃんがほしいって言ってたから,お父さんもお母さんもびっくり。けどね,そのあと「🌻ちゃん,ずっとずーっと,ママのお腹にのりたいもん!」って言ったの。そうだよね,赤ちゃんがきたら寝る時にお腹に乗れなくなるって思うもんね。まだまだ甘えちゃんしたいよね。

「大丈夫,ママちゃんと調べて,🌻ちゃんがお腹にのっても赤ちゃん痛くないってわかったよ。今日も寝る前にのっていいよ。けどもし,これからママがお腹痛くなったり苦しくなった時は,やさしくしてくれる?」そういうとあなたは安心した顔をして,「うん!」ってぴかぴかの笑顔を見せてくれたんだよ。そして,お父さんお母さんと3人で手をつないで「チームでがんばろー!」って,つないだ手をお空に見せたの。


その夜,いつものように絵本を読んで眠るとき,また素敵なことがありました。あなたが,ママのお腹に手を当てて,赤ちゃんにも「おやすみ」してくれたの。それから遠慮がちに「お腹のっていい?」ってきいて,少しだけトトロのお腹で眠るメイちゃんみたいにママのお腹にくっついてから横にころんって落ちて腕枕をしてね,このまま寝るかなって思ったら,ママのお腹をトントンってしてくれたんだよ。

その時,ママは少し涙が出そうになっちゃった。🌻ちゃんのことが大好きっていうママの気持ちが波のように心から湧き上がって溢れてきたのと,赤ちゃんを大切に思ってくれてる🌻ちゃんの気持ちがトントンする手から伝わってきたからだよ。やさしい子。

甘えん坊だけど,とってもとってもやさしくて,人の気持ちを察して気を遣ってしまうあなただから,これからお母さんの体調が悪くなったり,赤ちゃんのお世話が大変になったりしたら,きっといろんなことを我慢してしまう。だからわたしは絶対に🌻ちゃんを寂しくさせない。あなたの優しさに甘えすぎないで,「お姉ちゃんなんだから」って言わないで,これからもずっとずっと,愛情を伝え続けたいなって思ったよ。


この気持ちを忘れたくないけど,きっとだんだん薄れて,形を変えてしまう。あなたが生まれてから,いや,あなたが最初にお腹に来てくれたときから,わたしはこれまで知らなかった初めての気持ちをいくつもいくつも感じました。(お母さんはお空に帰っちゃった赤ちゃんも🌻ちゃんだったと思っています。あの頃いろいろ無理にがんばりすぎてトゲトゲしてたわたしに,本当に大事なことを教えに来てくれたんだと。)でもその気持ちの色は覚えていても,温度や感触がだんだん記憶からこぼれていってしまう。だから,気持ちを残しておくために今のわたしにできることをしたいと思いました。

大きくなっていく🌻ちゃんや,願わくばお腹にいる赤ちゃんといろんな話をしたいけれど,きっとうまく伝えられないことや話しきれないこともあると思います。だから,ここにふわり,ふわりと書いていきます。

いつか,読んでもらう日がくるかしら。

もし今この文章を読んでくれているのがあなたなら,何歳で,どこで,何をしているとしても,どうかその心にあたたかな陽の光が降り注いでいますように。誰かを照らし,照らされて,ささやかな幸せを感じる瞬間がたくさんありますように。ここまで読んでくれてありがとう。それから,お父さんとお母さんのところに来てくれてありがとう。

世界で一番,愛してるよ。

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