第二話「薬売りの介抱」③
前回のおはなし⇓⇓
頭に浮かぶのは、医者でもある知己だ。変わり者だが腕は確かなため、きっと良い方策を示してくれるだろう。さっそく連絡を取るため、昔ながらの通文手段である使い鴉に、手紙を結ぶ。連絡を取るなら他にも方法はいくらでもあるのに、こんな古風なやり方しか使わない、というのも変わり者の一面だ。餌を多めにやって、「頼んだよ」と送り出すと、艶やかな黒い羽を広げ、鴉は高い空へと飛んでいった。
「さて……と」
軽く伸びをし、工房へと戻る。最近はリズレさんの食欲が、更に増してき