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オ-プンデ-タをもっと身近に!デ-タ可視化で見えてくる新たな世界!

こんにちは!広報のたかえです。
先日、ボーンレックスが受託している東京都オープンデータコミュニティの2024年度キックオフイベントが盛大に開催されました。今年度もオンラインとオフラインから多くの参加者が集まり、オープンデータの活用とその可能性についての熱い議論が交わされ、参加者にとって非常に有意義な時間となりました。 
今日はそんなキックオフイベントのイベントレポートをお送りします!
 
当日の様子のアーカイブ動画を本コミュニティのHPにて公開中です!
是非こちらも合わせてご覧ください。
https://youtube.com/live/ylP739JFBiQ?feature=share 
(14:45~ イベントスタート/34:25~奈良様講演/51:55~ 石田様講演/1:14:10~ パネルディスカッション)


東京都オープンデータコミュニティとは…

東京都オープンデータコミュニティはオープンデータ利用者同士のコミュニケーションや、利用者と東京都の間の繋がりを活性化させることを目的に昨年度設立されました。
 オープンデータの活用方法について、オープンに、そして楽しく、議論を交わし情報交換ができる場を提供しています。
 
東京都オープンデータコミュニティについてはこちらの記事もご覧ください!

データ可視化をもっと身近に

今回のイベントでは外部有識者のお二人を登壇者としてお招きし、オープンデータの可視化をテーマに、利活用事例や、オープンデータの可能性、データ活用の始め方について講演いただきました!
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登壇者
■奈良和紘さん
都市データ研究家
オープンデータや公的統計の分析・可視化をライフワークとして、SNS等で作品を公開中。
第1回PLATEAUハッカソンで準グランプリを受賞して以来、シビックテックの面白さに目覚める。
2020年以降はセミナーへの登壇、書籍の執筆など、リアルワールドでも精力的に活動中。
 
■石田千晶さん
LINEヤフー株式会社 データプラットフォームサービス本部 ビジュアルアナリティクスコンサルティング1チーム Tableau Visionary Tableau Public Ambassador
2018年からTableauを使い始め、2019年にDATA Saber認定。社内のTableau利活用推進に向けたコンテンツ作成・コミュニティ形成&運営・分析支援業務を担当。社内外に向けたTableau関連のイベント・セミナーでハンズオン講師としても活動中。
パブリック活動も積極的に行っており、2022年・2023年にTableau Public Ambassador選出。2023年からJapan Tableau User Group幹事。2024年にTableau Visionary選出。
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データの可視化の表現方法は多彩!

トップバッターは積極的にシビックテックの活動に取り組まれている都市データ研究家の奈良和紘さん。(YouTube 34:25~)

データ可視化について奈良さんは「データの持つ特徴を正しく理解をして、視覚的にわかりやすく表現すること」とお話しされました。
データ可視化はデータを綺麗に見せること、単なる美しいイラストレーションだとイメージされる方も多いと思いますが、その背後には正確なデータ理解と表現が必要不可欠、また、正しい意思決定のためには多くの工程が必要とのことです。
例えば、下の画像。

一見、すべて違うビジュアルに見えますが、これ実は全て同じ情報を異なる手法で表しているのです!!
データの可視化は単なる「数字」でデータを見せるのではなく、伝えたいテーマ、見た目、レイアウトなどトータルで考えて、最適な手法(数字の大きさ、線の太さ、長さ、色の濃淡など)を決めて可視化するそうです。
全体の約8割がデータ収集と、集計できる形に整える工程に費やされるそうですが、最適な手法を考えるのはとても面白い作業とのこと!データの可視化とはデータの持つ特徴を正しく理解し、視覚的に分かりやすく表現することなのだと思いました。

データの可視化で新たな発見!

奈良さんが生み出した様々なデータ可視化の作品の中でも、特に印象的な作品を紹介します。

これは全国の各市区町村でもっとも多いコンビニブランドを色で塗分けた「日本全国コンビニ勢力図」です。普段考えたことが無かったような事柄も、データを可視化したことによって地域の特徴とコンビニ各社の戦略の結びつきが見えてくることに、とても興味深く感じました。
ちょっとしたこと、自分の身近なことでもデータを可視化することで見えなかった部分がはっきりと分かり、問題解決や、次にどう進めば良いかが見えてくるので私自身もデータの可視化に挑戦してみたいと思いました。

最後に奈良さんは東京のオープンデータは毎週数十件、他都道府県を合わせると全国で数百件に迫るオープンデータが公開されているので今後も良さを引き出し、情報は発信を続けていきたいとおっしゃっていました。

石田さんがTableauにどっぷりはまった理由

続いてお話しくださったのは石田さんです。(YouTube 52:55~)
もともと専門的な知識など全くなかったという石田さん。
彼女がTableau※にはまった理由は、簡単な操作で美しくデータが可視化されることに感動したことに加え、「形に残ること」がとても嬉しかったからとのこと。これまで経験した営業職や企画職では何が自分に残っているか分からなかった中、可視化したデータは作品として形に残るため、「私、これができます!」と言えるものができたことが大きな成果だったそうです。また、Tableau内のコミュニティ活動も盛んで、勉強熱心な方々と切磋琢磨できる環境も魅力的だったと言います。

※Tableau(タブロー):複雑なデータの可視化が得意なソフトウェアの一つです。企業が持つデータを分析・見える化して、経営や業務に役立てるソフトウェアのことをBIツールと言いますが、TableauはBIツールの代表的な製品で、世界的にも人気のソフトウェアです。専門知識がない人でも、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、簡単にデータの可視化・分析ができることが特徴です。

仕事に活かせる、データ可視化の有効性

データ可視化は、日常業務の効率化にも役立ちます。例えば、会議の中で羅列された数字を並べられると、全員が内容を理解するのに一定時間かかります。ところが、データ可視化で色による強弱がついていると、「色が濃いところが、売上が高い」と全員が瞬時に理解できます。

データ可視化前
データ可視化後

「間違えることなく、誰しもが瞬時に同じ答えにたどり着ける」ことは、データ可視化の大きな魅力だと石田さんはおっしゃっていました。
さらに、データ可視化は営業活動にも活かせます。顧客データの分析はもちろん、顧客への提案の際に可視化したデータを準備することで、関係者の理解を深め、その先の行動に繋がりやすくなるとのことでした。

 データ可視化は小学生でもできるほど簡単!

データ可視化と言われるとビジネス色が強いと思われますが、実はそんなことないのです。石田さんが、小学校1年生の息子さんと行った自由研究を例に語ってくださいました。
テーマは、「たべっ子動物(動物型のビスケット菓子)に入っている動物は何が多いか?」というもの。石田さんは息子さんと毎日一緒にたべっ子動物を1袋食べ、何の動物が何個入っていたかを記録していったそうです。その結果、10袋を開けると全46種類の動物のうち、おおよそ全ての動物に出会えることが分かりました。また、パンダとラクダは一つも出なかったので、「もう少し食べ続けて調べたい」という次のアクションに繋がったのだとか。

このように気負わずに、身近なことからデータを集めて可視化することで、面白いインサイトが得られると石田さんはおっしゃっていました。

パネルディスカッション

イベントの後半ではお二人のオープンデータへの熱量や、その魅力についてさらに深堀りしていきました。(Youtube 1:14:10~)

―オープンデータの魅力・可能性は何ですか?
(奈良氏):地域や街に関する「知りたいな、表現してみたいな」と思ったデータが、誰でも使える形で公開されていることだと思います。誰でも加工可能なので様々なデータや統計と重ね合わせながら、自分好みの分析やビジュアライズができ、素材としての面白さも感じています。
 
―普段どのようにデータを探されるのでしょうか?
(石田氏):面白いデータが出てきたら見るというパターンもありますし、感じた課題に対して必要なデータを探して可視化するパターンもあります。例えば、子供の保育所のデータがまとまっていなくて、自分でまとめてみたことがありました。
(奈良氏):日々公開されるデータを面白く料理している方が必ずいらっしゃるので、そこで知ったデータを自分なりに料理してみるところが入口になっています。また、街についてより知りたいという気持ちが私のオープンデータ活用のモチベーションになっています。街に関わるデータ、例えば年齢層の分布、お店の情報、子育てを支援するファシリティ等のデータを集めていきます。課題認識からデータを探してみることが原動力になっています。
 
―オープンデータを活用した先に待っている未来はどのようなものでしょうか?
(奈良氏):皆さん自身が気になることや課題だと思うことについてのデータを引っ張ってきて、自分なりの解決策やヒントが得られるような時代が来ると面白いと思いました。
(石田氏):データ可視化は子供にもできるので、皆さんも興味あるところからやってみること、そして新たな気づきを発信することが大事だと思います。

 まとめ

“オープンデータ”、“データ活用”と聞くと、なんだか難しそうに思えますが、お二人の話を伺っているとだんだんとその心理的ハードルが下がっていくような気がします。
日常に転がっている疑問や課題がアイデアになるということ、それを可視化することによってヒントや解決策を自分で見いだせる可能性があること、そしてコミュニティという場で人と繋がりながらカタチにしていくことでよりハードルが低くなり楽しさも増えて、私たちの創造性も磨かれていくのだなと強く感じました。
 
▽東京都オープンデータコミュニティへの参加は以下の入会登録フォームよりお願いします
入会登録フォーム:https://forms.office.com/r/Di3bKq7zbp
HP:https://odcommunity.metro.tokyo.lg.jp/