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全おっちょこちょい人のバイブル
さくらももこ展に行ってきた。
目に映る全てが懐かしく、さくらももこの描くカラー原稿の鮮やかさと色彩感覚、やさしい絵のタッチ、肩の力を抜いてと言われているような気持ちにさせてくれる言葉に
思わずほろりと涙が出そうだった。
平日の真昼間に訪れたこともあり、自分と同じようにひとりで来ている人が多く、みんな笑いをこらえて小さな声でクスクスと笑っていた。(わたしはというと、もちろん肩を震わせ笑っていた)
平和な空間だった。
"ちびまる子ちゃん"という漫画は本当にすごい。唯一無二だ。
バトルもの、異能力ものや美少女戦士もの、スポーツをテーマにしたもの、あり得ない設定の恋愛もの、非日常を描くことが多い漫画の中
なんの変哲もないどこにでもある日常を おもしろおかしく、そしてほろ苦く、あんなにリアルに描く漫画が未だかつてあっただろうか...
誰もが
「わたしはまる子だ...」
と一度は思わされ、まるちゃんの視点に笑い、共感し、そして涙したことがあると思う。
時折まるちゃんやその周りのキャラクターが発する 哲学じみた言葉にハッとすることもあるのだから可笑しい。
幼少期 わたしは完全なるりぼんっ子だった。
当時なかよし派とりぼん派、ちゃお派に分かれていたことは、同じ時代を生きた人間ならお分かりいただけるだろう。(だいたいすこし成長するとマーガレットや別マへ移行する)
応募者全員大サービスももちろん応募していた。
幼少期からオタクだったわたしの毎月のお小遣いは、文庫本、りぼんや単行本、SCREENという映画雑誌に消えた。
中でも
"ちびまる子ちゃん"と"ご近所物語"はわたしのバイブル的な存在の漫画であり、多大な影響を受けている。
さくらももこ、矢沢あい、吉住渉、小花美穂、水沢めぐみ、高須賀由枝、椎名あゆみetc
黄金期すぎるだろ1990年代のりぼん。
(美少女戦士ももちろん読んでいたのだが、イマイチ世界観にハマりきれなかった当時)
ちびまる子ちゃんを読み
こんなポンコツな自分でも良いんだ
こんなどうしようもない日があったって良いんだ
わたしはまる子だ!
と幾度も思わされ、何度救われたことだろう。
変に作り上げた無理矢理な設定なんて要らないのだと思わされる。
ちびまる子ちゃんに関しては、ちびまる子ちゃんクイズをしたり(家族に向けて)、読みすぎて何巻にどの話が掲載されているかも大凡把握しているし、母親にちびまる子ちゃんを音読し、ひとりで全役演じるという独特な遊びをしていたので好きな回はセリフも覚えている。
※余談だが、ちびまる子ちゃん初期に掲載されている"ほのぼの劇場"は大号泣必至である。
そしてちびまる子ちゃんの扉絵は 毎回たのしみにしているポイントのひとつだった。
どこか異国を感じさせる色遣いや模様 まるで曼荼羅のようだった。(さくらももこは旅がすきで様々な土地の民藝品などを収集することがすきだったとか)
今回のさくらももこ展では、曼荼羅絵の扉絵やカラー原稿も展示されており、とても見ごたえのある展示だった!
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そして永遠のバイブルご近所物語は
ミカコたちのファッションに憧れ(ミカコのファッションもだいすきだけど歩のファッションが特にすき)
スーパーカブに乗る子に憧れ
夢に向かって努力するかっこよさや
ヤザガクのような熱い高校生活を夢見させてもらい(もちろんあんなにおしゃれな高校生活ではなかったし、ツトムも居なかったけれど)
幼少期に 大事なことはすべてりぼんから学んだと言っても過言では無い。
結婚し、実家を出るときにほとんどの漫画を手放してしまったのだが(夫も漫画がだいすきなため、漫画は彼に任せた)
さくらももこと矢沢あいの漫画だけは、当時のまま手放さず、未だに事あるごとに読み返している。
※つい先日も友人が、最近ご近所物語を読み返したと言っていて、わたしも自宅に帰りすぐさま本棚から取り出し夜な夜な読んで泣いた。
わたしは漫画がだいすきだ。
ひとりでたのしむことができるし
主人公とともに笑ったり泣いたり熱狂したり苦悩したり
芸術的な筆致の美しさやストーリー構成には想像力を刺激されるし
たった1ページ ひとつのセリフで心揺さぶられることだってあるし
読後 しばらく現実に戻ってこられないことだってあるだろう!
最高の娯楽文化じゃないか。
大友克洋の漫画をはじめて読んだときは、あまりの衝撃に手が震え、数日間現実世界に戻ることができなかったし
荒木飛呂彦には、漫画は芸術だ!と思わされた
冨樫義博には、世の中には"天才"という存在が居るんだと思わされ(いつ読んでも、ねぇこの人天才?っていう言葉しか出てこない)
矢沢あいの作品には 多大な影響を受けたし
さくらももこの描く まるちゃんやコジコジの姿や嘘のない言葉にはたくさん元気と笑いをもらった。
チャップリンの言葉に
"人生は遠くから見れば喜劇だ"
というのがある。
ちびまる子ちゃんやコジコジを大人になってから読んで、そういうことか〜!と思ったのを思い出す。
いつの時代も きっとまるちゃんやコジコジに自分や家族の姿を重ね
ふとページから零れ落ちる 何気ない言葉に救われる人がいるはずだ。
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グッズも全部かわいくて買ってしまった
あたしゃまる子かぃ…?
そんなことを思いながら、わたしは久しぶりにちびまる子ちゃんを手に取り
だいすきな回”かきぞめの宿題”を読みながら、ひと笑いした。(ふぐ鍋の回もだいすきなので、個人的に11巻がめちゃくちゃすき)
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