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ミュージカル バック・トゥ・ザ・フューチャー観劇レポ

先日ドジャースタジアムに大谷翔平を観に行くついでに、BTTFミュージカルも観たいと思ってニューヨークに行ってきました。ロサンゼルスからフライト5時間半。ついでとは()
4月まで待てば劇団四季で観れるわけですが、大好きな映画の舞台化。ロンドン公演の時からめちゃめちゃ観たかったので、LA旅行にむりくりぶち込んでアメリカ横断ツアーにしてしまったのでした。

センター!最前列!
生演奏なので舞台の下にはオーケストラ!さすが本場!

劇場はNYブロードウェイのウィンターガーデンシアター。大学生の時ここでマンマミーアを観ました。正確には、観に行ったけど寝ました。ブロードウェイのソワレは20時とか21時の開演なのでねみいんです。(今回はちゃんと全部観ました)

観劇レポを書きたいと思いますが、日本公開前の作品。皆様のワクワクを損ねるような余計なことは書きません。観に行こうか迷っている人の背中を押せるような文章を心がけます。ただ40年前の有名映画ですからオリジナルストーリーのネタバレは気にせず書かせてください。舞台オリジナルの重大ネタバレは書きません。それでも気になる方は、Q&A形式にしましたので、見出しを見て読みたい部分だけ読んでください。

「海のお魚パーティ」ではなく「魅惑の深海パーティ」です。


Q. デロリアンは舞台の上をどうやって走るの?
A. いきなり核心!?大丈夫、ネタバレしません。デロリアンは時速が88マイル(140km/h)に達するとタイムトラベルします。映画の中でも加速するための広い土地(長い道)が必要でした。これを舞台でどう演出するのか。本作最大の見どころですよね。
舞台に登場する乗り物って、当たり前ですけど、どうしてもスピード出せないじゃないですか。魔法の絨毯しかり、美女と野獣のモーリスの薪割り自転車しかり。オペラ座のボートも素晴らしい演出ですが、ゆっくり漕ぎますよね。フローとグレイの馬車に至ってはセルフガタゴトシステム採用。あれはあれで新しかった。ともかく猛スピードで走る自動車の表現は舞台史に残る新たな挑戦でしょう。
詳しくは書きませんが、デロリアンは、確かに私の目の前で時速88マイルで走ってみせました。しかも、ただカミテからシモテに走り抜けるのではなくて、車体が正面を向いたり後ろ向いたり、なんかドリフトとかもしてたような。ぜひ楽しみにしていただきたいです。

参考資料:私の選ぶ「舞台上における乗り物演出の好事例」も一応貼っておきます(2分5秒あたりから)。



Q. 映画を観てから行ったほうがいい?観てなくても楽しめる?
A. 絶対に映画観てからの方がいい!じゃないと一緒にジョニー・B・グッドできないじゃないですか!などと言いつつ、とはいえ一度観てしまえばあの新鮮な衝撃はもう不可逆。未履修の方の今のその状態、貴重ですよね。舞台で初めてBTTFと出会うならば、それはそれでとてもうらやましいなと思ったりもします。

映画BTTFは、終盤にどんでん返し!というような感じではなく、最初に伏線が全部巻かれて、マーティ(と観客)がそれを一つ残らず回収していくようなスタイル。中盤もずーっと楽しい映画です。一回じゃ拾いきれない魅力が詰まっていて、何度も見返したくなります。だからやっぱり事前にいっぱい観て、予習してから行ったほうがいいんじゃないかなと個人的には思います。


Q. 原作と異なるストーリーや展開はあった?

A. 沢山ありました。核心に触れる内容は書きませんが、当たり障りのないところを紹介すると、映画だとドクはデロリアンの燃料であるプルトニウムを手に入れるために、リビアの過激派テロリストをインチキ爆弾で騙します。その結果として銃で撃たれちゃうわけですが、舞台版ではこの辺りのくだりが変更されていました。テロリストは登場せず、代わりに、プルトニウムが漏れて放射能を浴びてしまって命の危険に!という感じでした。アメリカではテロの襲撃を描くことに対して40年前よりも賛否両論あるでしょうし、リビアも実在する国なので、リビア人のお客さんが観ても楽しめるようになっていたと思います。さすがタイムトラベル作品の金字塔。時代の変化に敏感に対応していて素晴らしい。


Q. 舞台化したキャラクターたちの印象はどうだった?

A. ジョージマクフライの再現度!正直これが一番驚きました(笑)似すぎ。喋り方、笑い方、仕草、きもい歩き方など全部がクリスピン・グローヴァー(映画のジョージ役)そのもの。スクリーンからそのまま飛び出してきたようでした。すごい研究していっぱい練習したんだろうなあ(あたりめえだ)。
劇団四季がこのスタイルの演技演出を踏襲するかどうかは分かりませんが、とにかく日本版が楽しみです。
ロレインの見せ場はやっぱりマーティを部屋で寝かせるシーンでしょうか。有名なパープルのカルバンクラインのくだりで一曲歌います。(木村奏絵ちゃんらしいじゃないですかやばいよそれは)。マーティを脱がせるセクシーシーンも、映画同様といいましょうか、誰と観ても気まずくない、ユーモラスな演出になっていて安全に観劇できます(笑)


Q. 驚いた演出は?

A. レポに書ける範囲で書くならば、最近ミュージカル界隈で流行っている(?)、演者がカミテにはけたと思ったら、すかさずシモテから出てくるあのマジック演出がBTTFでも使用されています。赤坂でハリーポッターを観劇された方ならお分かりになると思います。あれ本当不思議ですよね。
あとは、時計台の落雷シーン。ここがね、ずるいんですよ。詳しくは書けないので抽象的になっちゃいますけど、くそうやられた!ってなるんです。日本で公開したらここんところまた皆さんとシェアしたい!


Q. ハンカチはいる?

A. ジョージがビフをぶっ倒すシーンで、不覚にも泣きました。映画でもちょっとうるっとするシーンですよね。そこ以外は基本笑ってました。
そして最後、映画でも観客を驚かせたであろう、デロリアンが飛び立っていくシーン。涙でちゃいました。
関係ないですが、あそこで少しだけ車の整備士さんの気持ちがわかった気がしました。

イメージ図。観に行けばきっとわかります

A. 結論! こいつはヘビーなミュージカルだ!
笑った。泣いた。英語聞き取れないところもめちゃめちゃあったのに。芸術に国境はありませんな。
終演後は拍手喝采の超ド級スタンディングオベーション!さすがはNYブロードウェイ。観客のノリも違います。

日本公開は4月6日。竹芝 秋劇場。
はああゴスレ終わっちゃうのかああ


一足お先に未来を観てきたドクのような気分。このあと日本中のミュージカルファンが歓喜する姿が目に浮かびます。お若い読者の方はお父上、お母上を観劇に誘ってあげても良いと思います。懐かしさと新しさを兼ねた作品です。

上記のレポはNYブロードウェイ版を観てのものですので、来年、劇団四季で公演される際には、演出など異なる部分もあるかもしれません。あと半年、楽しみですね!

併設されたギフトショップに、プルトニウム売ってました。
飲んだらまさかのただの水。10ドル。たけえよ。


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