『ベルリンうわの空』を読んで気づいたこと
久しぶりにオタ活が落ち着いているゾーンに来た。メインジャンルも放送をお休みしているし、最近ハマった作品も再生回数が1万回いかないと次の話が作られないという足枷をつけられ、しばらくは続話はつくられそうにない。かといって無理になにかにハマりたいという気持ちもなく、既に好きな作品の配信や放送を追いかけている、という感じだ。
そんなわけでしばらくおざなりになっていた読書を再開している。スマホ脳という本を読んでスマホ依存の自分に意識的になり、更に読書が加速している状況だ。積読している本を手にとりやすい所へ置き、少しずつ消化している最中である。
積読の一冊となっていた、香山哲氏の『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』をやっと読み終えた。とても気に入っている漫画家で、個人で出版しているシリーズの本もせっせと集めるくらいには好きだ。
せっかくなので以下に試し読みページを貼っておく。
この本はベルリンに住む香山氏が、実話とフィクションに織り交ぜて描く半エッセイ的漫画である。今回、ストーリーのメイン軸として、香山氏は仲間たちと無料で使用できるコインランドリーやシャワースペースを、行政に申請の上で開設する。この活動を通じて、それぞれがどんな気持ちを抱いたか語り合うシーンがあった。その中で、
「仕事と余暇の2モードしかなかったから、色数が増やせて「うれしい複雑さ」って感じ」
といった感想を持つ人物がいた。
これだ、と思った。自分が今持て余している感じは、まさにこれである。
私の場合、余暇イコールオタ活とさせてもらう。オタ活も楽しいのだが、たまに「今ちょっと飽きてるな」と思うのだ。ただ自分が楽しいという感情を追いかける事に物足りなさを感じてしまう。もちろん推し作品への愛がなくなったわけではない、むしろ推しとの関係性が安定期に入ったからこそ落ち着いてしまうのだ。贅沢ではあるが、人間は常に新しい刺激を求める習性があるので、仕方ないのかなとも思う。この新しい刺激をオタ活以外の部分に欲しているのだ。
そして心のどこかにうっすら感じていた、他者に貢献したいという思いを香山氏の本を通じて少し思い出した。ものすごい意識が高いわけでも、完璧な利他主義でもないが、誰かを喜ばせたいという願望はあるほうである。自分の描いたものが誰かに楽しんでもらえれば、推し作品が広まるちょっとしたきっかけになれば、という気持ちを持って趣味の創作活動も勤しんでいる。基本的に「自分も楽しく活動しつつ、貢献ができたらいいな」の精神なのだ。(大体のオタクはそうなのかもしれないけど)
だから香山氏の「無理をしない範囲で世界を良くする」という考え方が自分の今の生き方にはちょうどいいなと思った。
いつも趣味と仕事以外だと自分のジェンダー周りの問題に意識がいってしまい、今後の生き方とか何をすべきなのかとかに気を取られてなんだか心が重くなっていたけど、もっと外の問題に視野を広げたほうが結果的に自分の人生にもつながるかもしれない。
積読の中には自己啓発に近い本やビジネス本もあるが、これらは必要だと感じたときに読めばいいので、今はスルーする事にした。
オタ活も、そうはいっても公式に動きがあれば一瞬で元通りになるのが目に見えるので、今はかなり貴重なタイミングかもしれない。そんなときに無理してオタ活をする必要もないだろう…。
第一歩として、友人におすすめされた「あなたが世界のためにできるたったひとつのこと」という本を注文した。まずはここから無理なくはじめてみようと思う。
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