幼児も色々考える。大人は信じてくれなかったな。
小さい頃の記憶は断片的で、写真みたいに場面場面しか思い出せないものが多い。だけど、いくつかはっきり覚えているものがあって、その1つが幼稚園卒園式の日。
卒園式を終えて家に帰った私は、玄関で泣けそうな気分になっていた。悲しかったのかは覚えていないけど、なんだか泣いたほうがいい場面な気がした。
私は玄関で泣きはじめた。泣きだすと段々大きな声になってしまった。
そのうち、少しずつ冷静になってきたのだけど、今度はどうやって泣き止めばよいのか分からない。泣き止むタイミングが掴めず、後半は突っ伏して顔を隠して泣き声をあげながら困っていた。もう涙は出てこなかった。(結局どうやって泣き止んだかは覚えていない)
少し大きくなって、家族から卒園時の話を何回かされたことがある。「あの時、あんたは泣き止まなくてねぇ~」と。
一度だけ、「実はあの時、泣いたほうがいいのかなと思って泣いたんだ。でも一旦泣き出すと引っ込みがつかなくなって、どうやって止めようか困ってた」と言ったことがある。
が、家族の反応は
「あんなに泣いてたのに、何カッコつけてるの」
「幼稚園児がそんなこと考えるわけない」
「小さかったから忘れちゃったのね」
といったものだったので、もう二度と言わなかった。
記憶捏造の可能性が0%とは言わないけど、でも私はあの時考えたことも、見えていたカーペットの模様も(後半は突っ伏して顔を隠し、目を開けていた)、ちゃんと覚えている。
上記に似たエピソードが、私にはいくつかある。
子供も色々考えたり気を使ったり打算的になったりするのに、大人になると「子供はそんな複雑な事は出来ない」って思うようになってしまうんだなーと、小学生だか中学生だかの私は考えた。
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今わたしは大人になって、子供を育てはじめ、2歳児が予想よりずっとちゃんと人間なことに日々驚いているのだけど、とはいえ2歳娘は意味不明なことや理不尽なことを日々主張しまくっている。
でもきっと、私が思っているより、娘はいろんなことを観察して考えている。その思考回路は大人の常識と一致しないかもしれないけど、「幼児だから分からない」とか「単純なことしか考えない」とか思ったら大間違いよね。
....と、昔の記憶を呼び起こして、自分に戒める最近です。
ではでは。今日もいい一日になりますように!