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国際協力×ソーシャルビジネス「 JICA海外協力隊グローバルキャリアコース」とは?

国際協力とソーシャルビジネス、どちらも諦めたくない。
そんな思いを持つ人のために、ボーダレス・ジャパンは新たな取り組みを始めます。
先日リリースした「JICA海外協力隊グローバルキャリアコース」は、新しいキャリアの形を提案するプログラム。その魅力について、JICA青年海外協力隊事務局長・橘秀治氏(2025年2月時点)とボーダレス・ジャパン代表・田口が語り合いました。

本記事は、ボーダレスラジオの収録内容を編集・再構成したものです。
より詳しく知りたい方は、ぜひこちらもチェックしてみてください!

JICA海外協力隊グローバルキャリアコースとは?

「JICA海外協力隊グローバルキャリアコース」をつくろうと思ったきっかけについて教えてください

田口:昨年、ボーダレスではJICA海外協力隊から帰国した隊員の皆さんを対象に「JICA BLUE」という起業支援プログラムを行いました。その中で、橘さんさんから「JICA海外協力隊の募集は年々減少傾向にある」という話を聞きました。帰国後のキャリアに不安を感じて応募をためらう人がいるとのことでした。これはすごくもったいないことだなと。だったら、社会起業のノウハウを学んでからJICA海外協力隊に行き、帰国後の選択肢も約束できる仕組みを作ればいいのでは?と思ったんです。

また、ボーダレスでも同じような声を聞いていました。若い世代が「国際協力に興味はあるけれど、キャリアの不安がある」といっていたのです。国際協力に携わりたいけれど、どのタイミングで行けばいいのかわからない。企業に入って経験を積んでから行くべきか、思い切って新卒で行くべきか。そんな悩みを抱えている学生さんと多く出会ってきました。
だからこそ、「JICA海外協力隊グローバルキャリアコース」が必要だなと思ったんです。

「JICA海外協力隊グローバルキャリアコース」について具体的に教えてください

田口:このコースでは、ソーシャルビジネスと国際協力の両方を経験することができます。1年間ボーダレスで事業開発を経験してからJICA海外協力隊として途上国へ派遣。その後、ボーダレスへの復職を約束します。ボーダレスに戻ってくることもできるし、違う道に進むこともできる。一度海外で本気でチャレンジする機会を持つことで、確実に人生の選択肢が広がると考えています。

<具体的なイメージ>

  1. ボーダレス・ジャパンで1年間「事業開発職」として働く

    1. ソーシャルビジネスの現場で、新規事業の立ち上げを経験する。

    2. 実践的なスキルを身につけ、課題解決の方法を学ぶ。

    3. この間にJICA海外協力隊へ一般公募でエントリー

  2. JICA海外協力隊として2年間の現地活動

    1. 途上国で現地の人々と共に暮らしながら、社会課題に取り組む。

    2. 深く地域に入り込み、リアルな現場を体験する。

    3. ※協力隊には一般公募受験のため、合格の場合は一度退職扱い。不合格の場合は、事業開発職を継続、再エントリーが可能。

  3. 帰国後はボーダレス・ジャパンへの復職を約束

    1. ボーダレス・ジャパンに復職可能

    2. ※必須ではなく、本人の意思を尊重

JICA海外協力隊での2年間の現地活動のリアル

橘さん:今回の「JICA海外協力隊グローバルキャリアコース」は、協力隊の経験をキャリアに活かせる仕組みとして、すごく意義のあるものだと感じています。

JICA海外協力隊は、日本の若者が開発途上国に派遣され、現地の人々とともに暮らしながら社会課題の解決に取り組む国際協力プログラムです。1965年にスタートし、これまでに約5万7千人が参加、現在も74カ国で約1850名の隊員が派遣されています。

単なる支援活動ではなく、地域の社会に深く入り込み、現地の人々と一緒に考え、一緒に成長する経験ができるのが特徴です。首都や都市部ではなく、地方の農村や小規模なコミュニティで活動することが多いので、現地の人々と同じ環境で暮らしながら、地域の本当のニーズを理解することができます。 

費用や安全面もJICAがしっかりサポートしており、安心して挑戦できる環境が整っています。途上国で2年間、思いっきり汗を流せるのが、JICA海外協力隊の魅力ではないかと思います。

田口さんから応募者数が減ってきているという話がありましたが、要因としては、日本の若者人口の減少、海外で働く他の選択肢が増えたことなどが挙げられます。ただ、制度や管理体制が整った中で長期間、途上国で活動できるのがJICAの大きな魅力ですので、私共の重要な取り組みとして今後も続けていきたいなと思っています。

「国際協力×ソーシャルビジネス」の可能性

田口:実際に、JIC​​A海外協力隊に参加しているのはどのような人たちですか?

橘さん:JICAでは、「人生なんて、きっかけ一つ」というコピーを採用していますが「特別なスキルがなくても、何かに挑戦したい気持ちがあれば大丈夫」という思いが込められています。実際に、JICA海外協力隊に参加される方の応募理由も「海外で暮らしてみたい」「この国に関心がある」「社会課題に関わる仕事がしたい」などさまざまです。

私自身もインドネシアでJICA海外協力隊として派遣された経験があるのですが、JICA海外協力隊に参加することで得られる経験は大きく3つあります。1つ目は、失敗する経験。2つ目は、異文化でコミュニケーションする経験。3つ目は、自ら問いを立てる経験です。これらはソーシャルビジネスをやる上でも絶対必要な要素で、共通する部分だと思います。「国際協力もソーシャルキャリアも諦めない」コースをつくっていただけたのは、とても嬉しいことです。

帰国後キャリアの広がりと可能性

田口:僕は事業のために海外へ行くことがありますが、やはり「解決策を提供する」というスタンスになってしまいます。協力隊に参加してまずは2年間真剣に現場を知ることができれば、その後、どんな形で悩んでもより意味のあるアプローチができるのではないかと思います。

現地で過ごして見えてきた課題に対してソリューションを生み出す、この順番がとても有意義な時間の使い方になるのではないかと思います。「JICA海外協力隊グローバルキャリアコース」では、帰国後のキャリアへの不安を解消することで、協力隊の活動に専念してもらいたいと思います。

橘さん:「いきなり国際協力はハードルが高い」と感じている人にも、まずはボーダレスで事業開発の仕事に1年間携わってから現地に行くことで、視野を広く持って活動ができると思います。もし私が新卒の時にこのコースがあったら、絶対に参加したいと思っているくらいです。

JICAとしては、この取り組みが他の企業にも広がることを期待しています。ビジネスモデルありきではなく、現地に向き合い試行錯誤を重ねることで、2年間でなにかひとつ「この課題を解決したい」という想いを持ち帰る。そういった人材が日本の企業に増えていけば、多様なキャリアが生まれるのではないでしょうか。今回のような形で若いうちにビジネスと国際協力の両方を経験できることは、日本にとっても重要なことではないかと考えています。

キャリアをもっと自由に、もっと面白く!

最後に、JICA海外協力隊グローバルキャリアコースへの挑戦を考えている皆さんに向けて、メッセージをお願いします。

田口:「人生が面白くなる」まさにそれがこのコースを通じて伝えたいことです。
僕は過去に1年間アメリカに留学した経験がありますが、時間の流れ方や学びの深さが特別なものだったと感じています。このコースでは、それを超えるような濃密な経験ができるはずです。その経験を経た後には、自分がどのように社会に貢献できるかを真剣に考えることになるでしょう。

帰国後のキャリアについても、さまざまな企業やJICAさんと連携しながら、復職のあり方や新たな挑戦のサポートをしていく予定です。このコース自体初めての取り組みでもあるので、共に学んだ仲間たちと結果をシェアしながら、さらに新たな挑戦を続けていけたら嬉しいです。

橘さん:社会に出る最初の3年間で、国際協力とソーシャルビジネスの両方を学ぶことで、視野が大きく広がり、人生がより面白く、充実したものになるはずです。このコースを機に、JICA海外協力隊に参加することで、より実践的な経験を積むことができます。多くの学びが得られるこの機会をぜひ活かしてほしいと思います。ぜひ、JICA海外協力隊グローバルキャリアコースにエントリーいただく方が一人でも増えると嬉しいです。

<話を聞いた人>

橘 秀治(たちばな ひではる)氏
JICA 青年海外協力隊事務局長

東京都出身。1994年経済学部卒業。
1994年:金融機関入社
1997年:青年海外協力隊に参加
(インドネシア共和国 南スラウェシ州バル県地域総合開発実施支援プロジェクトに参加)
1999年:国際協力事業団 短期専門家(インドネシア選挙支援)
1999年:国際協力事業団入団
(米国事務所次長、基礎教育第二課長(アフリカ担当)、総合企画課長、総務部審議役、イノベーション・SDGs推進室長など歴任)
2022年:JICA 青年海外協力隊事務局長

田口一成
株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役社長

1980年生まれ、福岡県出身。早稲田大学在学中に米国ワシントン大学へビジネス留学。卒業後、㈱ミスミ(現 ミスミグループ本社)を経て、25歳でボーダレス・ジャパンを創業。
社会課題を解決するソーシャルビジネスのパイオニアとして、日経ビジネス「世界を動かす日本人50」、Forbes JAPAN「日本のインパクト・アントレプレナー35」、EY「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・ジャパン」に選出。2020年、カンブリア宮殿に出演。
TEDx『人生の価値は何を得るかではなく、何を残すかにある』の再生回数は100万回を超える。著書『9割の社会問題はビジネスで解決できる』はベストセラーに。

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Podcast配信情報

この記事の内容は、こちらのPodcast「ボーダレス・ラジオ」でも詳しくお聴きいただけます。

JICA海外協力隊グローバルキャリアコース」の背景や魅力について、
プロジェクトに関わるメンバーやJICA経験者が詳しく語っています。
こちらもぜひご視聴ください。

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