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1億人にFor Goodを届け、社会課題解決を民主化する_弱冠26歳イントラプレナーの挑戦
「社会課題解決は、難易度が高い分挑戦するのが面白いし取り組む価値があると思う。」そう語るのは、ボーダレス・ジャパンが運営するソーシャルグッドに特化したクラウドファンディング「For Good」の代表を務める小松航大。彼の目標は、社会課題解決を民主化することだ。
2022年4月に新卒でボーダレス・ジャパンに入社後、わずか1か月でクラウドファンディング「For Good」を立ち上げ、業界最速で支援総額10億円、支援者数10万人を越えるプラットフォームへと事業を成長させた小松は、この度『Ambitions』が特集する日本を代表するイントラプレナー50人に選出された。
社会課題解決の民主化を図るために小松が今何を目指すのか。その挑戦の軌跡と未来を深掘りする。
2度の起業経験を経て、辿り着いたソーシャルビジネス
大学時代、小松はバックパッカーとして世界を巡り、アフリカや中東、南米などのスラム街を訪れた。現地で見たのは、貧困や不平等といった深刻な社会問題だった。しかし、それ以上に彼を苦しめたのは、無力感だったという。
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「例えば、バーレーンの空港で出会ったアフリカ系の女の子。『出稼ぎで来たけど、雇い主にパスポートもお金も取り上げられて、行き先もわからない』って話してくれたんです。その時、自分にできたのは、持っていた食べ物と水を渡すことだけでした。今の自分では本当に何もできない、と思いましたね。」
帰国後、小松は社会課題を解決したいという思いを胸に、学生起業に挑戦する。最初はアフリカ料理店を使ったコワーキングスペース事業を立ち上げ、次にアフリカ人と日本人の交流を目的としたシェアハウス事業に取り組んだ。しかし、2つの理由からどちらの事業も成功には至らなかった。
「一つは、純粋にビジネススキルが足りなかったことが要因です。お金の管理や、共同でやっていたメンバーの生活費を賄えるほどの規模にするには、到底力不足でした。もう一つは、やっているうちに目的がわからなくなったこと。何のためにこの事業をしているのか、時々見えなくなる瞬間があったんです。」
起業した理由は明確だったにもかかわらず、いつのまにかとにかくお金を稼ぐことが目的になっていた。しかし、日々数字を追いかけることだけには夢中になりきれない自分がいたという。
「そんな時、ソーシャルビジネスという考え方に出会ったんです。ビジネスを手段にして社会課題を解決する、その発想が自分の中でストンと腑に落ちました。当時は、自分の理想の『美しい未来を描く』ために現代アーティストになることも考えていたのですが、師匠からの後押しもあり、まずは夢中になれるビジネスを見つけて『美しい未来を作る』ことに挑戦しようと決めました。」
事業コンセプトを明確に、立ち上げ期の「For Good」
小松がボーダレス・ジャパンに入社したのは2022年の4月。最初は、ボーダレスアカデミーの起業プログラムを自ら受講し起業を試みていたが、代表・半澤の薦めで社会起業家新卒採用の選考に進む。当時は、アフリカでのビジネスプランを描いていたという。
しかし、入社したばかりの小松に、新規にクラウドファンディング事業を立ち上げる話が舞い込んだ。小松は、何はともあれ実践だとこの話に飛びついた。
「正直、ほぼゼロからのスタートでした。サイトはもちろん、具体的なビジネスプランもあまり整っていない状態。でも、それが逆に燃えました。」
メンバーは小松を含め新卒中心の6人。代表の田口直下で、リリースまで1か月という非常にタイトなスケジュールに挑むことになった。
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「この時期は、さまざまな意思決定がとんでもないスピードでされていった感覚があります。特に、サービス名をレスキューからFor Goodに変更することを決めた時はロゴ制作やウェブサイト構築、コンセプトづくりなど一気にアップデートをかけていきました。地域での社会活動からグローバルな問題まで、幅広い社会課題に取り組むプラットフォームを作ること。それを正確に伝えるために『For Good』にサービス名を変える判断は間違っていなかったなと思います。」
「For Good」が数字以上に大切にしていること
2024年11月現在、For Goodの総支援額は1億円、総支援者数は10万人を突破。これまでに1,000以上のプロジェクトが立ち上がり、多くの社会課題に対する解決策が生まれている。
For Goodの特長として、掲載手数料が0円であること、そして実行者に対する充実したサポート体制があげられる。
「For Goodでは、実行者の方が支援金を全額受け取れる仕組みを採用しています。募集方式はAll-in方式のみ。目標金額を達成しなかった場合でも、期間内に集まった支援金はすべて実行者のもとに届けられます。ただし、手数料0円が重要ではありません。For Goodが目指すのは社会課題解決の民主化。一人でも多くの人に実践者として関わってもらい、社会で起こっていることを知ってもらうジャーナリズムの役割を果たすことです。
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もちろん、知ってもらうだけでは取り組みが広がらないので目標達成に向けたサポート体制も充実させています。無料プランと有償のサポート付プランを用意していますが、どちらを申し込んだ場合でも初回の相談は必ず行っています。サポート付プランの場合の目標達成率は80%以上。業界の平均目標達成率が30〜40%なのに対し、高い達成率を維持しています。」
イントラプレナーとしての挑戦と可能性
ボーダレス・ジャパンでは、現在13カ国で50のソーシャルビジネスを展開しており、6割の事業がボーダレス・ジャパンに新卒で入社したメンバーが代表を務めている。自らのビジネスプランで起業した者もいれば、小松のようにイントラプレナーとして組織内で新規事業を立ち上げた者もいる。小松はどのような思いを持ってFor Goodの代表に就いたのだろうか。
「起業家志望でボーダレスに入社をしたのですが、For Goodの立ち上げに携わる中でこれを自分の事業にしたいという思いが強くなりました。寝ても覚めても、頭の中はFor Goodでいっぱい。どうしたら一人でも多くの人が社会をより良くしていく一員になれるのか、世界中で誰よりもFor Goodのことを考えている自信があったので、たぐっさんに代表へ就任させてほしいと話をしました。」
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イントラプレナーと聞くと、社内で一定の経験を積み、新たな事業の柱をつくるためにアクションを起こした人というイメージがあるかもしれないが、ボーダレスの場合は違う。新卒にその機会の多くを渡しているのだ。
「正直、アントレプレナーかイントラプレナーかが重要なのではなく、社会に大きなインパクトを出していくために、どちらの挑み方が自分に合っているのかの視点が大切だと思います。僕の場合は、For Goodに出会いこの事業をまずはジブンゴトとして拡大させていきたいと思ったからイントラプレナーの道を選びました。
イントラプレナーの良さは、組織のアセットを最大限活用できる点にあります。ボーダレスにいるたくさんの社会起業家の叡智をフルに活用できるので、何もない状態からスタートするよりも迅速にソーシャルインパクトを生み出すことが可能だと考えています。
直近では、徳島市と大阪府とのパートナーシップに関するプレスリリースを発表しました。ボーダレスが持つ自治体連携の実績を共有してもらいながら地方自治体と社会課題に取り組む包括的なソリューション開発を進めている最中です。」
1億人を巻き込み、国境を超えた相互扶助の仕組みを実現する
この度、小松はビジネスマガジン『Ambitions』の日本を代表する社内起業家(イントラプレナー)50人に選出された。これまでイノベーターというと、起業家という印象が強かったかもしれないが、企業の中でも社内起業家が活躍する事例は今後増えていくだろう。最後に、今回最年少で選出された小松にこれからの挑戦について話を聞いた。
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「現在は、世界の1%つまり1億人にFor Goodを届け、社会を良くするアクションに関わってほしいと思っています。高い目標に見えるかもしれませんが、100万人がFor Goodでプロジェクトを立ち上げ、それぞれ100人の支援者が集まれば実現可能なんです。ただ、これを実現するには日本国内だけでなく海外に目を向ける必要があります。
クラウドファンディング事業の海外展開は決して簡単ではありません。しかし、ボーダレスのグローバルに跨るネットワークを活用すれば、日本国外でも効果的なアプローチが可能だと考えています。また、社内に留まらず海外展開の経験がある他社の人たちとも積極的につながっていきたいです。」
小松が目指すのは、国境を超えた相互扶助の仕組み。気候変動や貧困問題といった大きな課題に対して、各国が連携して取り組める仕組みがあれば、世界に大きなインパクトをもたらすことができる。
「For Goodのミッションは「社会課題解決の民主化」です。この仕組みが世界に広がれば、どんな社会課題もみんなで乗り越えられる社会が実現する。そんな未来を僕たちは作っていきたいと考えています。「ソーシャルビジネス」と聞くと、どこか特別な人たちがやるものだと思われがちですが、誰もが取り組むことのできる社会をつくっていきたいです。」
小松は、自らのビジョンを計画に落とし込み、その達成への道筋を見据えている。彼から発せられる言葉の一つひとつには、描く未来への情熱とそれを実現するための決意が込められていた。
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Text:Mikiko Mine