「シマクトゥバ」は沖縄のそれぞれの「地域」にある、それぞれの言葉のこと。「島クトゥバ」ではなく、「故郷」のことばであり、「地域」のことばである。地域の人々が共同生活の中で継承してきた歴史的な存在であり、集団に共有される文化である。
シマクトゥバには地域の人々の暮らしぶりや自然との関わり方が刻印されている。
また、同じものをさしていても、認識の違いが方言名に反映される。
本書では、沖縄本島の中南部地区(那覇や首里言葉を中心に)のシマクトゥバを共通語の50音順に収録している。
「ヤギ」で本書をひくと「フィージャーあるいはヒージャー」、「しゃっくり」でひくと「サッコービ」、「正直者」では「マットーバーあるいはマクトゥー」とあらわれる。
手軽に使える本書を活用してシマクトゥバに触れることで、連綿と続いてきたシマの文化、暮らしの息吹を体感してほしい。