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若き研究者・実践者から先輩方へ、今だからこそ問いたい、沖縄近現代の物語(ムヌガタイ)。
琉球史研究の変遷・移民史・民衆史・ジャーナリズム・沖縄戦の記憶継承・平和教育・島嶼経済と自立・フェミニズムと社会変革・沖縄学が開く場・教育史など、若き研究者・実践者から先輩方へ、今だからこそ問いたい
沖縄近現代、七つのトークセッション。
大好評を博した『つながる沖縄近現代史』に続く、待望の第二弾が登場。
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本書を手にとられた皆さんは、「あの時、あの人にこの話聞いておけばよかった…」「あの話って何だったっけ? なんでメモしなかったんだろう…」という経験が大なり小なりあるのではなかろうか。それは、他愛のない両親の馴れ初めの話かもしれないし、大物政治家のオーラルヒストリーかもしれないし、はたまた近親者の経験した壮絶な戦争体験の話かもしれない……歴史研究の世界においても、たびたびそういった想いに駆られることがある。とくに、二〇二四年は大先輩から身近な方まで、多くの沖縄研究者の訃報に接する一年となった。改めて、いま先輩(しーじゃー)方に聞いておくべきことは何なのか、若手がそれぞれの立場や問題意識に立脚し、対話を通した継承を試みた記録が本書である。
……今回の企画では、世代間の断絶に焦点を当てている。自分達の議論が先行する議論の積み重ねに連なっているのか点検するとともに、理解し難い部分や未解決の問題をあぶり出し、考え続けるべき問いとして設定し直す。そのための方法として、編者を含めた若手・中堅の研究者・実践者と、同じ分野で活躍してきた上の世代との対談という方法を採った。
上の世代の面々は、同じ分野に身を置く人なら一度は名前を耳にするベテランあるいはレジェンド達だ。今も様々な媒体で精力的に書いたり喋ったりしているメンバーだから、その著書を読めば、だいたいの考えは把握することができる。他方、その議論を後続世代がどのように受けとめられているのかと言えば、必ずしも明らかではない。本人がこだわり抜いた部分ほど、現役世代にとっては理解し難く、取扱いに難儀するからなおさらだ。世代が違えば、立場も経験も違う。対談相手となる若手・中堅の役割は、そうした違いを超えて共有すべき問いを発見していくことだった。
目次
はじめに 沖縄のこれからを引き継ぐために 前田勇樹
シン・琉球史の時代へ 高良倉吉/前田勇樹
「安良城ショック」から「首里城焼失、再建」まで
現在進行形の「沖縄民衆史」を記す 三木 健/森 亜紀子
西太平洋「オキネシア」としての琉球弧から
歴史としての地元を掘る 謝花直美/石垣綾音・狩俣日姫
沖縄戦の記憶継承とメディア・平和教育と街づくり
島嶼としての沖縄経済の自立は可能か 嘉数 啓/秋山道宏
戦後の貧困から沖縄の将来像を通して
「うない」が広げた女性たちの結(ゆい) 高里鈴代/玉城 愛
構造的暴力に抗い社会を変革するために
伊波普猷を読むということ 冨山一郎/崎濱紗奈
「沖縄学」の現在
教育熱心な沖縄をひも解く 浅野 誠/古波藏 契
リーダーシップ論から働き方の獣道まで
おわりに 世代を超えて問いを共有する 古波藏契