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元首相・ジャーナリスト・歴史家・元米兵ら50人が選んだ沖縄本で復帰50年を考える

『復帰50年 沖縄を読む--沖縄世はどこへ』
東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター編


作家・ジャーナリスト、歴史家、元米兵、自称「三流芸人」から元首相まで、50人が推薦する沖縄本から「復帰50年」を考える。

「長いあとがき」より抜粋
 さてこの本は復帰50年にちなんで県内外の50人の方に沖縄に関する書籍を推薦して頂こう、という趣旨である。
 出版された時期は原則として復帰後、つまり50年前以降と決めたのはよいが、その間に売れた本を選ぶのか、評判の本か、マンガもふくむのか……誰に書いてもらうのか? 復帰50年記念のブックフェア展開というアイデアから始まったことであり、県内の書店の有志に集まって頂き話を伺った。ところがこちらが沖縄理解の必読本としてリストに挙げた数十冊は、全て残念ながら売れない、と評価された。昭和の臭いがプンプンしている、とこちらの「時代錯誤」を指摘する人もいた。そうかズレてんのか、と素直に反省しないのが昭和世代の悪癖なのかもしれない。
 沖縄は日本の縮図だから、矛盾や希望がそこにはある。面白い本は沢山ある。全体として沖縄の現状が浮かび上がるような、これからの日本・世界の進路にとっても大事な本が挙がってくるに違いない……と、執筆者頼りの楽観主義で編集が始まった。


●目次
Ⅰ 復帰50 年、これでよかったのか  高野 孟 

Ⅱ 復帰50年沖縄を読む   
新垣邦雄  『沖縄占領米軍犯罪事件帳』天顔盛夫編著
新垣 毅   『地に呪われたる者』 フランツ・ファノン著  
新川 明   『沖縄の歩み』国場幸太郎著
池澤夏樹   『恋を売る家』大城立裕著
伊佐眞一   『反国家の兇区』新川明著、他
石垣綾音  『沖縄現代史』櫻澤誠著、他
猪股 哲  『虹の鳥』目取真俊著
宇田智子  『なはをんな一代記』金城芳子著
内村千尋  『不屈 瀬長亀次郎日記』第一部、第二部 瀬長亀次郎著
大城貞俊  『日毒』八重洋一郎著
緒方 修  『追跡! 謎の日米合同委員会』吉田敏浩著
アキコ・カカジ『僕が遺骨を掘る人ガマフヤーになったわけ。』具志堅隆松著
賀数仁然  『私の戦後史』第一集〜第九集 沖縄タイムス社編
我部政明  『日本にとって沖縄とは何か』新崎盛暉著
金 賢玉  『第二次大戦時沖縄朝鮮人強制連行虐殺真相調査団報告書』同調査団編
具志堅隆松 『僕が遺骨を掘る人ガマフヤーになったわけ。』具志堅隆松著
小波津正光 『時空超えた沖縄』又吉栄喜著
小浜 司  『琉球共和国』竹中労著
崎浜 慎  『沖縄戦、米軍占領史を学びなおす』屋嘉比収著
佐喜眞淳  『沖縄ゼネスト50年 解放への狼煙』沖縄ゼネスト50年実行グループ著
桜井国俊  『沖縄子どもの貧困白書』沖縄県子ども総合研究所編
下地 茜  『琉球王国衰亡史』嶋津与志著、他
新城和博  『幻想の街・那覇』牧港篤三著、他
瑞慶覧長敏 『琉球王国衰亡史』嶋津与志著
須藤義人  『時の眼–沖縄 N27』N27編集室、他
高良鉄美  『戦後沖縄の人権史』沖縄人権協会編著
照屋勇賢  『安谷屋正義展 モダニズムのゆくえ』、他
中野 夢  『沖縄の染織(1)染織品編』沖縄県教育委員会編
鳩山由紀夫 『沖縄は未来をどう生きるか』大田昌秀・佐藤優著
花井正光  『琉球列島の里山誌』盛口満著
林 国源  『客家』飯島典子・河合洋尚・小林宏至著、他
譜久里武  『逆境を生き抜く力』我喜屋優著
普久原朝日 『小説琉球処分』大城立裕著、他
福元大輔  『沖縄戦と心の傷』蟻塚亮二著
藤井幸子  『旅農民のうた』森口豁著
星野人史  『まちかんてぃ! 動き始めた学びの時計』珊瑚舎スコーレ編著
松井 健  『芭蕉布物語』『琉球の富』柳宗悦著
茂木健一郎 『沖縄ノート』大江健三郎著
屋嘉道子  『月と太陽』安里英子著
屋嘉宗彦  『戦後沖縄経済史』琉球銀行調査部編著
山口 泉   季刊 『批判精神』第5号「特集」遠藤京子編
山代 寛  『小さな大学の大きな挑戦』、他
山田マドカ 『子どものまちのつくり方』泉房穂著
吉井美知子 『追跡・沖縄の枯れ葉剤』ジョン・ミッチェル著
吉田敏浩  『密約の戦後史』新原昭治著
与那覇恵子 『沖縄の覚悟』来間泰男著
スティーブ・ラブソン 『沖縄占領 未来へ向けて』宮城悦二郎編
ダグラス・ラミス 『ウシがゆく』知念ウシ著
渡瀬夏彦  『海をあげる』上間陽子著
渡辺 考  『沖縄物語』古波蔵保好著

長いあとがき   緒方 修  
復帰50年年表(1972ー2022) 
書籍索引 

●編者プロフィール
東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター
一般財団法人東アジア共同体研究所(EACI)は鳩山友紀夫元首相が政界引退後の2013 年3 月、アジア太平洋諸国の間に「友愛」の絆を創ることを目的に設立し理事長に就任。翌14 年5 月、東アジアの結節点である沖縄・那覇市に開設した琉球・沖縄センターは辺野古新基地など基地問題、沖縄の未来構築の議論、政策提言など諸活動を行っている。
2020年4月から毎週、「ウイークリー沖縄」ニュース動画を発信。自衛隊南西シフト問題に焦点を当て同年6月に東京、12月に那覇でシンポジウムを開催し、『虚構の新冷戦 日米軍事一体化と敵基地攻撃論』(芙蓉書房出版)、年刊ジャーナル『沖縄を平和の要石に』創刊号(同)を刊行した。21年度は5月から「基地なき沖縄の展望」鼎談を連続開催し、世界自然遺産をオンライン講演、辺野古基地、奄美自衛隊基地のドローン取材を実施。9月から「南西諸島ミサイル要塞化」全国巡回写真展を開始し、11月には年刊ジャーナル『沖縄を平和の要石に』2(芙蓉書房出版)を刊行した。

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