「無期転換権」ってご存じ?
こんにちは。ぼーんぐんです。
職場のお昼休みでの話です。
「今月末で定年を迎えられる方へメッセージもらえますか」
女子社員から寄せ書き色紙とサインペンの一式を受け取りました。それで定年退職者は誰かと名前を見てみますと「あれっ」少々違和感があります。
その方は10年ほど前に入社された「契約社員の方」だったんです。
「およよ、雇用期間に定めのある有期雇用形態の方に定年とは?」
「あそうか、無期転換されたんだね」
ひとりで合点をして色紙にペンを走らせました。
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「無期転換権」のことを、みなさんはご存じでしょうか。
2012年8月に労働契約法が改正されて「無期転換権」が新設されたのです。
新しいルールでは有期労働契約者が更新を重ねて通算5年を超える場合に、会社に対して「契約を無期にしてください」と申し入れることが出来るようになりました。
会社は無期の申請を受けると「無期の労働契約に切り替えなければならない」と法律で定められたのです。
ですから先の該当者は「無期転換権」を行使した「無期契約社員」ということになるのです。
「時代は良くなってきたね」
みなさんはご自身の職場に定められている「就業規則」をお読みになることはあるでしょうか。
通常は「正社員の就業規則」のほかに「契約社員向けの就業規則」や再雇用した「嘱託社員の就業規則」など雇用契約形態により規則があるはずですから、一度ご自身に該当する規則をご覧になってください。
この例では「契約社員向けの就業規則」の定年の項目に「無期契約社員」の記述がされているものと思います。
定年とは、正規雇用者で、ある一定の年齢に達したら仕事を退職する場合の
こと。その仕組みによって雇用関係が終了し退職することを定年退職といいます。
これからは「定年」イコール「正社員の自然退職」のみ、といった概念を改める必要があります。
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では「無期契約社員」と「正社員」の違いは何だろうって話になります。
この労働契約法の改正で定められているのは「正社員にしなければならない」わけではないのです。
ですから依然として労働条件の違いがあります。
これから契約社員へ応募する方は、無期契約社員への転換を期待していても「契約期間更新の上限は5年まで」なんて条件を付けている会社もありますからご注意くださいね。
そして、正社員とのどのような労働条件の違いがあるのか、あらかじめ確認することもお忘れなく。
労働環境が改善されたとはいえ、もう少し踏み込んだ改正が望まれるものです。
正社員であっても非正規社員であっても同じ職場の仲間です。
お客様への貢献という共通の目標をもって業務に勤しむならば、待遇の違いはあってはなりません。
私は安定した職場環境の整備こそが会社の成長に繋がり、ひいては国の成長に繋がると考えるのです。
非正規労働者を雇用の調整弁とする考え方について、みなさんは如何お考えでしょうか。
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