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【恒例洋楽新年企画】DJ Boonzzyの第65回グラミー賞大予想#11~ミュージカル、ビジュアルメディア、プロデューサー&ソングライター部門

今週はアカデミー賞のノミネーション発表もありましたね。この後この第11弾で映画を含むビジュアル・メディア関係の各部門の予想もしますが、作品賞や主演女優賞のノミネーションなどを見ていると、アカデミーではエイジアン・パワーがかなり定着している感じがします。グラミー・アカデミーの多様化推進状況などと比べると一歩も二歩も先を行ってる感じですね。グラミー・アカデミーにはまず、BTSを主要部門にノミネートするくらいのことを始めないとこの差は埋まらないでしょうねえ
ということで今回はミュージカル、ビジュアル・メディア関係の各部門と、プロデューサー部門の予想を行きます。

45.最優秀ミュージカル・シアター・アルバム部門(主なソロイスト/プロデューサー/楽曲作者に与えられる賞)

  Caroline, Or Change - New Broadway Cast (John Cariani, Sharon D Clarke, Caissie Levy & Samantha Williams / Van Dean, Nigel Lilley, Lawrence Manchester, Elliot Scheiner & Jeanine Tesori / Jeanine Tesori & Tony Kushner)
  Into The Woods (2022 Broadway Cast Recording) - 2022 Broadway Cast (Sara Bareilles, Brian d'Arcy James, Patina Miller & Phillipa Soo / Rob Berman & Sean Patrick Flahaven / Stephen Sondheim)
○ MJ The Musical - Original Broadway Cast (Myles Frost & Tavon Olds-Sample / David Holcenberg, Derik Lee & Jason Michael Webb / -)
✗ Mr. Saturday Night - Original Broadway Cast (Shoshana Bean, Billy Crystal, Randy Graff & David Paymer / Jason Robert Brown, Sean Patrick Flahaven & Jeffrey Lesser / Jason Robert Brown & Amanda Green)

  Six: Live On Opening Night - Original Broadway Cast ( - / Joe Beighton, Tom Curran, Sam Featherstone, Paul Gatehouse, Toby Marlow & Lucy Moss / Toby Marlow & Lucy Moss)
◎ A Strange Loop - Original Broadway Cast (Jaquel Spivey / Michael Croiter, Michael R. Jackson, Charlie Rosen & Rona Siddiqui / Michael R. Jackson)

今回のグラミー対象期間は2021年10月〜2022年9月ですが、昨年の対象期間中コロナの関係で8ヶ月ほどブロードウェイがクローズしていたということもあって、今年は久々のフルイヤー対象の年ブロードウェイ復活後、次々に意欲的新作やリバイバル上演も行われて、今年も去年同様6作品のノミネートになりました。それを受けて久々に去年6月に盛大に開催された第75回トニー賞の最優秀ミュージカル部門ノミネート作から4作、そして最優秀リバイバル・ミュージカル部門ノミネート作が1作、このグラミーのミュージカル・アルバム部門にノミネートされている関係で、今年は去年に比べて比較的予想しやすい状況になってます。ではノミネート作を順番に一通り見てみましょう。

まずトニー賞のリバイバル作品部門にノミネートされていた、2004年のミュージカル『Carolina, Or Change』。1963年のルイジアナ州レイク・チャールズに済むユダヤ系のギルマン家の家族とそこにメイドとして働く黒人中年女性のキャロラインとの人種を越えた交流と親交の様子を、JFK暗殺や市民権運動の活発化を背景に描くストーリー。『Into The Woods』はご存知「赤ずきん」や「ジャックと豆の木」などのグリム兄弟の童話を題材にした、ブロードウェイ・レジェンド、スティーヴン・ソンドハイムの楽曲による1987年ミュージカルのリバイバル。『MJ The Musical』はその名のとおり、キング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンの楽曲を使ってマイケルの半生後期を描いたジュークボックス・ミュージカル。『Mr. Saturday Night』はもともと『サタデイ・ナイト・ライブ』出身のコメディアンで、映画『恋人たちの予感(When Harry Met Sally…)』(1989)でのメグ・ライアンとのペーソス溢れる演技でも有名なビリー・クリスタル主演・監督の1992年の同名映画を下敷きにした作品。オリジナル映画の主人公のスタンダップ・コメディアンがその後年月を経て再起を図るというストーリーが、ビリー自身のキャリアを想起させて、彼のファンにはたまらない内容のようです(観たい!)。

Six』はUK発祥のミュージカルで、中世のヘンリー8世王の6人の妻たちが何とポップ・コンサートでパフォーマンスするという形で自分達の人生を語るという、なかなか斬新なコンセプトの作品です。最後の『A Strange Loop』は2020年のピューリッツァー賞ドラマ部門を受賞した、黒人でクィア(性的マイノリティ)の男性が、黒人でクィアの男性がミュージカルの脚本を書く、というミュージカルの脚本を書く物語、という正に「不思議なループ」をコンセプトにした作品。物語はゲイやトランスジェンダーなど様々な性的指向や人種間の葛藤などを経験する主人公が人間の形をした自分の「思考」たちとやり取りをしながら進んで行く、というかなりこれも斬新な作品のようです。

さて予想ですが、今回のノミネーションのうち、昨年のトニー賞のミュージカル部門を受賞しているのが『A Strange Loop』。LGBTQ問題や、アフリカ系アメリカ人が今のアメリカ社会で感じる疎外感などを心理学的なアプローチで描くという斬新さと時代性が評価されたんだと思いますが、これは正にグラミーでも受けるだろうということで本命◎。されどグラミーなので、やはり音楽系ミュージカルは外せないでしょう、ということで対抗○はこちらもトニー賞ミュージカル部門にノミネートされていた『MJ The Musical』。最後に穴✗は自分も個人的に大好きなビリー・クリスタルの芸能生活集大成的な『Mr. Saturday Night』に付けさせて下さい。うーんこのミュージカル観たいなあ。

46.ビジュアル・メディア向け最優秀コンピレーション・サウンドトラック部門(アーティストとプロデューサーに与えられる賞)

○ Elvis - Various Artists
◎ Encanto - Various Artists

  Stranger Things: Soundtrack From The Netflix Series, Season 4 (Vol. 2) - Various Artists
  Top Gun: Maverick - Harold Faltermeyer, Lady Gaga, Hans Zimmer & Lorne Balfe
✗ West Side Story - Various Artists

さて、ミュージカル部門は作品の内容については自分も含めて、あまりお馴染みがないので一渡り内容をなめてみましたが、今年のビジュアル・メディアのコンピレーション・サントラ部門(映画4本、ネットフリックス1本)は昨年話題になって皆さんもよくご存知の作品ばかりなので内容については詳しくは触れませんが、一つ?だったのは、ネットフリックスのSFサイコドラマ『Stranger Things』のシーズン4で使われた、例のケイト・ブッシュの「Running Up That Hill」はこのコンピ・サントラのVol. 2ではなくてVol. 1なんですけど、ここでのノミネートはなぜかVol. 2とわざわざ指定してありますね。不可解です。

さていずれにしても、どれを取っても話題の作品ばかりですが、やはり昨年の一つのポップ・カルチャー・トレンドを作ったラテン系の作品ということもあり、そして何と言ってもシングルも次々に大ヒットした、ディズニーの『ミラベルと魔法だらけの家(Encanto)』は、今回のグラミーの他の部分ではあまり顔を出してないだけにこの部門ではかなり強いと見てます。何と言っても昨年の第94回アカデミー賞の最優秀アニメーテッド・フィーチャー・フィルム部門の受賞作品ですからね。なので本命◎はミラベル

そしてそのミラベルに肉薄するのではないかと思う対抗○は、今回の第95回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞(エルヴィスを演じたオースティン・バトラー)、音響賞、美術賞、撮影賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、衣装デザイン賞、編集賞の8部門にノミネートの『Elvis』。折しもリサ・マリーがつい先々週、ノミネーション発表前に急逝するというショッキングなこともあったので、まだ最終投票が始まってないアカデミー賞の方は、複数部門の受賞が予想されますが、既に投票が終わっているグラミーの方でもかなり強いだろうことは想像に難くないところです。

そして穴✗は残り3作品どれでもありなんですが、ここは御大スティーヴン・スピルバーグが自ら監督でリメイク、アニタ役のアリアナ・ディボーズが見事助演女優賞を受賞して、史上初の黒人で性的マイノリティ(彼女はゲイを公表して女性のパートナーがいます)の演技部門受賞者となった『West Side Story』に付けておきましょう。

47.ビジュアル・メディア向け最優秀スコア・サウンドトラック部門(スコア作曲者に与えられる賞)

  The Batman - Michael Giacchino
✗ Encanto - Germaine Franco
◎ No Time To Die - Hans Zimmer
○ The Power Of The Dog - Jonny Greenwood

  Succession: Season 3 - Nicholas Britell

映像作品の挿入楽曲ではなく、スコア(映画音楽)の作者に与えられるこの賞、昨年はジョン・バティースト旋風のきっかけになったアニメ映画のサントラ『ソウルフル・ワールド(Soul)』受賞の予想が的中したんですが、その後発表された第94回アカデミー賞のスコア部門は対抗○と見ていた巨匠ハンス・ジマーの『Dune(デューン砂の惑星)』が受賞してました(『ソウルフル・ワールド』のスコアはその前年、第93回のスコア部門を受賞)。つまりこの部門はだいたい間違いなくアカデミー賞の受賞どおりになるというのがパターンになります

そうなると、去年のアカデミーのスコア部門にノミネートされてて『Dune』に敗れた『ミラベル』や『The Power Of The Dog』には何となく目がないような気がしますが、やはりノミネートされてるというだけで、この部門では強いような気がします。ただここで気になるのは、007作品『No Time To Die』でノミネートされてる巨匠ハンス・ジマー。彼がアカデミー受賞したのは違う作品なんですが、去年の同じアカデミーで楽曲部門はビリー・アイリッシュの「No Time To Die」が受賞していること、昨年のアカデミー賞にエントリーする際、おそらくハンス・ジマー陣営は『Dune』に絞ったのではないかと思われることなどを考え合わせると、ここでの本命◎は実はハンス・ジマーではないかと思うのです。何せこの部門、過去17回ノミネートで受賞はまだ2回(直近受賞は2009年第51回の『Dark Knight』)ですからもう資格充分でしょうからね。

で、強そうな去年のアカデミー・ノミネート作ですが、対抗○にはレディへのメンバーで、去年トム・ヨークとスーパー・バンド、ザ・スマイルとしての活動も話題を集めていたジョニー・グリーンウッドがキャリア2作目の映画スコアを手がけた、ジェーン・キャンピオン監督(去年監督賞受賞)のネットフリックス作品『The Power Of The Dog』にしました。『ミラベル』も強そうではあるんですが、あの映画はやはりスコアというよりはリン・マニュエル・ミランダの挿入楽曲の存在感が圧倒的なので、スコアについては穴✗ということにしておきます。

48.ビジュアル・メディア向け最優秀ソング部門(作者に与えられる賞)

  Be Alive (From “King Richard”) - Beyoncé (Beyoncé & Darius Scott Dixson)
✗ Carolina (From “Where The Crawdads Sing”) - Taylor Swift (Taylor Swift)
○ Hold My Hand (From “Top Gun: Maverick”) - Lady Gaga (Bloodpop® & Stefani Germanotta)
  Keep Rising (The Woman King) (From “The Woman King”) - Jessy Wilson Featuring Angelique Kidjo (Angelique Kidjo, Jeremy Lutito & Jessy Wilson)
  Nobody Like U (From “Turning Red”) - 4*Town, Jordan Fisher, Finneas O'Connell, Josh Levi, Topher Ngo, Grayson Villanueva (Billie Eilish & Finneas O'Connell)
◎ We Don’t Talk About Bruno (From “Encanto”) - Carolina Gaitán - La Gaita, Mauro Castillo, Adassa, Rhenzy Feliz, Diane Guerrero, Stephanie Beatriz & Encanto Cast (Lin-Manuel Miranda)

さて、前の2部門と違ってそんなに予想が簡単じゃないなあ、と思ったのはこのビジュアル・メディア向けソング部門。参考にするべきアカデミー賞のソング部門では、ビヨンセの「Be Alive」が昨年ノミネートされてますが受賞していません。そもそも去年のアカデミー賞でのウィル・スミスのあの暴挙とその後のアカデミーの反応を考えると、彼が主演男優賞を取ってしまった『King Richard』のこの曲にグラミー・アカデミー・メンバーが投票するかはかなり疑問ですよね。もう一曲、『トップ・ガン・マーヴェリック』の主題歌、レディガガの「Hold My Hand」がノミネートされてますが、なぜかこの曲あまりヒットしてなくて(最高位49位)同じサントラからのワン・リパブリックの「I Ain’t Worried」(最高位6位)の方がヒットしてるという状況。もっというなら、コンピ・サントラで『Elvis』ノミネートされるんだったら、その挿入歌でドジャ・キャットの「Vegas」(最高位10位)がノミネートされてもいいのにね、と思うのは自分だけか。

そんな中で昨年の映像作品楽曲中やはり存在感もチャート的にも存在感充分だった、『ミラベル』からの「We Don’t Talk About Bruno」、本命◎はこれしかないでしょう。何といっても5週連続全米ナンバーワンというのは大きいし、去年のグラミー授賞式でも司会のトレヴァー・ノアが、ブルーノ・マーズをこの曲でイジってたくらい広く去年のポップ・カルチャー・シンボル的に受け入れられてると思いますので。

対抗○はヒットはしてないけど、やはり今年のアカデミーにノミネートされてるガガの「Hold My Hand」に付けるのが順当なんでしょう。ただアカデミーの方では同じ部門に『Black Panther: Wakanda Forever』からのリアーナの「Lift Me Up」とかノミネートされてるから受賞は微妙でしょうけど(ちなみに同じ部門に何とミツキデヴィッド・バーンと共作している『Everything Everywhere All At Once』の曲「This Is A Life」がノミネート!去年の是枝監督の受賞に続いて日本人のアカデミー受賞なるか?)。そして穴✗は、今回アカデミーのソング部門ノミネートからは外れてしまってますが、腐ってもテイラー、ということでミステリー映画『Where The Crowdads Sing』からの「Carolina」に。

49.最優秀プロデューサー部門(クラシック以外)

◎ Jack Antonoff
✗ Dan Auerbach

  Boi-1da
  Dahi
○ Dernst “D’mile” Emile II

さて例年だとここで「やっと主要4部門を残して最後の部門まで来ました」というところなんですが、実は今年から新設の最優秀ソングライター部門がこの次に残っているので、今年からはこのプロデューサー部門が主要4部門前のラストにはなっていません。去年は3年連続ノミネートの末やっと三度目の正直でジャック・アントノフが受賞してました。このコロナ期間の3年のジャックの充実度たるや他になかなか例を見ないほどだったわけで、テイラーのコロナ3部作、ラナ・デル・レイのここ2作、更にはセント・ヴィンセント(ディキシー・)チックスの作品などなど、やっと3度目で受賞したのが遅かったんじゃないか、というほどでした。そのジャック、昨年もその充実度を維持する活躍ぶりで、フローレンス+ザ・マシーンズThe 1975の最新作、テイラーの新録収録で今回SOYにもノミネートの「All Too Well (10 Minute Version)」などなど、昨年を代表する作品を手がけてまして、これは第59回・60回のグレッグ・カースティン(アデルやフーファイなど)以来の2年連続受賞もあるのではないか、と思って彼に本命◎を付けました。
そのジャックに対抗できそうなのが、今年はアーティスト自身でグラミー対象へのエントリーを辞退したシルク・ソニックや、主要賞にノミネートされてるメアリーJの新作などを手がけて、R&Bシーンでは圧倒的な存在感を示しているDマイルことダーンスト・エミール2世なんじゃないか、というのが自分の見立て。彼はプロデューサーとしてだけでなく、ソングライターとしても昨年のシルク・ソニックLeave The Door Open」、一昨年のH.E.R.I Can’t Breathe」と、史上初めて2年連続SOYを受賞してるんですよね。なのでホント言うと、このプロデューサー部門よりも次のソングライター部門ノミネートがふさわしいのでは、と思うんですが。
そして穴✗は、今年でジャック・アントノフと肩を並べてのノミネートがここ4年で3回目になるという、ブラック・キーズダン・アウワーバックかな。Dマイルに比べてヒット作品のプロデュースという意味では自分のバンドの作品くらいなんだけど、過去受賞歴もあるし(2013年第55回)、自らのイージー・アイ・サウンド・レーベルハンク・ウィリアムスJr.を呼んでプロデュースしたりと、アメリカーナ分野の音楽振興に結構貢献したりしてますからもう一回どこかで受賞してほしい、という気はしますね。

50.最優秀ソングライター部門(クラシック以外)

  Amy Allen
  Nija Charles
✗ Tobias Jesso Jr.
◎ The-Dream
○ Laura Veltz

今年から新設されたこの分野。以前から「プロデューサー部門」はあるのに何で曲作り専門のプロフェッショナルを評価する「ソングライター部門」がないのか、確かに疑問でしたね。もちろん、SOYや各ジャンル部門のソング部門では作者が受賞するんですが、個別の曲単位の評価ではなく、その年一年に亘ってソングライティングで高く評価される活躍をした人が受賞する部門はなかったので、そういう意味ではこの部門新設は大賛成。で、ノミネートの蓋を開けて思わず「うーん」と思ってしまったのは自分だけではないはず。もちろんここにノミネートされてる人達もそれなりに評価されるべき実績を持ってるんでしょうけど、例えばハリー・スタイルズの『Harry’s House』でほぼ全曲ハリーと共作しているキッド・ハープーントーマス・ハル)とか、『ミラベル』全曲書いてるリン・マニュエル・ミランダとか、アデルザ・ウィークンドBTS/コールドプレイの仕事で相変わらず活躍中のマックス・マーティンとか、数々のカントリー・ヒットを書いてるシェーン・マカナリーとか、ちょっと考えただけでもこの5人と同等以上のシーンの評価が高いソングライター、思い浮かぶのにこのノミニー・リスト、えらく地味じゃない?と思ってしまいます。

一応順番に紹介すると、エイミー・アレンは過去にハリー・スタイルズの「Adore You」やホールジーの「Without Me」などの大ヒットの共作で知られるアメリカ人女性ソングライター。でも昨年手がけたのは、リゾハリー・スタイルズ、チャーリーXCXらのアルバム曲だけ。ナイジャ・チャールスは2017年頃からクリス・ブラウンカーディB、ビヨンセ、サマー・ウォーカー、ケラーニといったR&B/ヒップホップ系アーティストに曲を提供してきたニュージャージー州出身のソングライターで、彼女の昨年の仕事はミーガン・ザ・スタリオン&デュア・リパの「Sweetest Pie」とビヨンセの『Renaissance』収録曲とこちらもかなり地味。トビアス・ジェッソJr.はカナダはノース・バンクーバー出身のポップ系ソングライターですがこれまで特筆すべき代表作はなし。ただ去年は『Harry’s House』の「Boyfriends」、アデル30』の「To Be Loved」といった今年のグラミーのキー作品で共作してます。

そんな感じで、この部門第1回のノミニーにしては全体地味目なこの5人の中でややプロファイルが上だな、と思うのがR&B/ヒップホップ系のザ・ドリームことテリアス・ナッシュと、カントリー系ソングライターのローラ・ヴェルツ。覚えてる人もいると思うけど、ザ・ドリームは2000年代にソロ・アーティストとしてもちょっと活躍(最大のヒットは2007年17位まで上がった「Shawty Is A 10」)した後、その後ソングライターに軸足を移して、ビヨンセの「Single Ladies (Put A Ring On It)」やマライアの「Touch My Body」、ジャスティ・ビーバーの「Baby」などヒット曲を数多く手がけてきてます。去年はミーガン・ザ・スタリオンの「Savage」の共作者として最優秀ラップソング部門受賞するなどヒップホップ関係のグラミーをこれまで4回受賞している、今やシーンを代表するソングライターの一人。今回ビヨンセの『Renaisssance』の楽曲も10曲共作していてどうも彼が本命◎臭いです。

一方NY出身のローラ・ヴェルツは2010年代からナッシュヴィルに居を移して、カントリー・アーティスト達に曲を提供する中、2018年にダン+シェイの大ヒット・ウェディング・ソング「Speechless」の共作者として一躍シーンの注目を集め、その後マレン・モリスライアン・ハードのカントリー夫婦やケリー・クラークソンに曲を提供。昨年はマレン・モリスHumble Quest』に3曲、デミ・ロヴァートのアルバム『Holy Fvck』にはメインのソングライターとして12曲提供してます。この中ではザ・ドリームに次いで存在感ありと思うので彼女に対抗○、穴✗はトビアス・ジェッソJr.にしました。しかしこの部門の位置付け、何だか中途半端で今後大丈夫かな、と思ってしまいます。

ということで何とか主要4部門を残し、それ以外の50部門の予想完了しました!この週末にはこの間の「ソウル・サーチン・ラウンジ」で一足早く発表した、主要4部門の予想をゆっくりとまとめてアップしたいと思いますので、お楽しみに。


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