DJ Boonzzyの第67回グラミー賞大予想#3〜ロック&オルタナ部門
今週入院中に執筆を稼ごうとしてたら体調が悪くなって結局退院するまで先に進まなかったので、ちょっと今日明日でアクセル踏みます。まずはロック&オルタナ部門。
9.最優秀ロック・パフォーマンス部門
✗ Now And Then - The Beatles
Beautiful People (Stay High) - The Black Keys
The American Dream Is Killing Me - Green Day
Gift Horse - IDLES
◯ Dark Matter - Pearl Jam
◎ Broken Man - St. Vincent
ここ最近グラミーの特に主要部門のノミネートに「長年の功労賞」的ノミネートがちらほら目に付いてて、64回、65回連続でROYノミネートのアバなんてその最たるもんですが、今回のビートルズの「Now And Then」のROYノミネートには驚きました。確かに歴史的なプロジェクトであり、楽曲自体も悪くないと思いますが、「いま」のアーティスト達が作っている作品を押しのけてまで受賞させるかというとやはりやや疑問。この後のロック・ソング部門にもノミネートされてませんので、グラミー・アカデミーメンバーの趣旨はまあ明らかでしょう。ビートルズ世代の皆さん、いや僕らにも一種の感動を呼び起こさせる曲ではありますが、グラミー受賞の予想としては、敬意を表して穴✗、というのが妥当でしょうね。
で、残り5候補のうち、4候補がロック・ソング部門候補曲ということでここでの争いはほぼほぼロック・ソング部門での戦いとダブるわけですが、この4アーティストの中で近年グラミー・ダーリンのポジションを確保してるのがアニー・クラークことセント・ヴィンセント。ソング部門でも61回、受賞間違いないと思われたグレタ・ヴァン・フリートを抑えて受賞してますし、昨年も授賞式でパフォーマンスを見せるなど存在感ありあり。ここは本命◎セント・ヴィンセントと見て、対抗◯は久々の新作がなかなか良かったパール・ジャムに付けておきます。
10.最優秀メタル・パフォーマンス部門
✗ Mea Culpa (Ahi! Ça ira!) - Gojira, Marina Viotti & Victor Le Masne
◯ Crown Of Horns - Judas Priest
Suffocate - Knocked Loose Featuring Poppy
◎ Screaming Suicide - Metallica
Cellar Door - Spiritbox
この部門は昨年メタリカがアルバム『72 Seasons』のタイトルナンバーで受賞してますが、今年も同じアルバムから「Screaming Suicide」がノミネート。去年はディスターブドやスリップノット、ゴーストといったあたりと結構タイトなレースだったと思いますが受賞したということで、今年の他の候補は、ジューダス以外は明らかに格下の顔ぶれなんで、今年も本命◎はメタリカ、そして対抗◯はそのジューダス・プリーストということでいいでしょう。
穴✗は去年メタル・バンド初のオリンピック開会式パフォーマンスを飾ったフランスのゴジラが、メゾソプラノ歌手マリナ・ヴィオッティと歴史的な共演を果たした「Mea Culpa」にこれも敬意を表して。いやああれはなかなか昨年のパリ・オリンピック開会式のハイライトの一つでしたね。
11.最優秀ロック・ソング部門(作者に与えられる賞)
◯ Beautiful People (Stay High) - The Black Keys (Dan Auerbach, Patrick Carney, Beck Hansen & Daniel Nakamura)
◎ Broken Man - St. Vincent (Annie Clark)
✗ Dark Matter - Pearl Jam (eff Ament, Matt Cameron, Stone Gossard, Mike McCready, Eddie Vedder & Andrew Watt)
Dilemma - Green Day (Billie Joe Armstrong, Tré Cool & Mike Kirnt)
Gift Horse - IDLES (Jon Beavis, Mark Bowen, Adam Devonshire, Lee Kiernan & Joe Talbot)
そしてこの部門は先程もコメントしたように、パフォーマンス部門とほぼダブった争いになっていて、ビートルズがいない穴をどの作品が取るか、という予想になると思ってます。なので本命◎はパフォーマンス部門同様、セント・ヴィンセントですが、ここで対抗◯はパール・ジャムでなく、ブラック・キーズの「Beautiful People (Stay High)」にしてます。彼らは2013年56回この部門、あの衝撃の「Lonely Boy」で見事受賞している一方、パール・ジャムはこの部門受賞経験ないんですよね(というか過去パール・ジャムは最優秀ハード・ロック・パフォーマンスを1回受賞してるだけ)。従ってパール・ジャムは穴✗です。
しかしUKのパンク・バンド、アイドルズって何でこんなにアカデミー・メンバーに人気あるんでしょうかね。今回はUKナンバーワンの最新作『Tangk』からの曲がパフォーマンス部門とこの部門両方にノミネートされるという手厚い扱いですが、UKのメンバーからの組織票でも入ってるんでしょうか。
12.最優秀ロック・アルバム部門
✗ Happiness Bastards - The Black Crowes
Romance - Fontaines D.C.
Saviors - Green Day
TANGK - IDLES
◯ Dark Matter - Pearl Jam
◎ Hackney Diamonds - The Rolling Stones
No Name - Jack White
今回この部門、1995年第37回で創設されて以来最多の7作品がノミネートされてます。ということは枠を増やしてでもアカデミー・メンバーがノミネート、いや受賞させたい作品があるということだと思うんですが、今回それはズバリ、ストーンズだと睨んでます。昨年はソング部門にあの久々にキースのギターがカッコいい「Angry」がノミネートされてましたが(受賞はボーイジニアス)、アルバムはリリースのタイミングの問題で今年の対象作品。リリースされた時から「久々のストーンズの傑作」との呼び声も高かったアルバムだけに、ここは本命◎ストーンズで間違いないでしょう。
対抗◯は、やはりこの並びだとジャック・ホワイトかパール・ジャムでしょうが、他の部門に名前のないジャックではなくまあパール・ジャムでしょうね。そして穴✗は昨年感動の再結成来日ライブもやってくれた(しかもうちの近所の立川で!)クロウズの久々のケレン味のない快作に付けさせて下さい。
13.最優秀オルタナティブ・ミュージック・パフォーマンス部門
Neon Pill - Cage The Elephant
◯ Song Of The Lake - Nick Cave & The Bad Seeds
Starburster - Fontaines D.C.
✗ BYE BYE - Kim Gordon
◎ Flea - St. Vincent
一昨年オルタナ・アルバム部門から分離されたこの部門、一昨年はウェット・レッグ、去年はパラモアが受賞してます。今年はやはりここで強そうな雰囲気を醸し出しているセント・ヴィンセント以外は、若手のフォンテインズDCや、昨年フジロックにも降臨した懐かしやキム・ゴードン、そして昨年メディアに評価の高い作品をリリースしたニック・ケイヴがノミネートされてます。まあそうなってくると、アルバム部門では過去57回と64回の2回の受賞を果たしてるセント・ヴィンセントが本命◎となるわけですが。楽曲自体も彼女の凄みがじわじわと感じられるクオリティの高いものなだけにここは堅いかな。しかしこうなるとロック&オルタナ部門、今年はセント・ヴィンセントがほぼ一人占めって事になっちゃいますね。
対抗◯はそのメディアに評価の高かったニック・ケイヴのアルバム『Wild God』からの朗々としたニックの歌声というか語りが感動を呼ぶ「Song Of The Lake」、そして穴✗はベテラン、キム・ゴードンに敬意を表して。
14.最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム部門
✗ Wild God - Nick Cave & The Bad Seeds
Charm - Clairo
The Collective - Kim Gordon
◯ What Now - Brittany Howard
◎ All Born Screaming - St. Vincent
そしてこのアルバム部門、パフォーマンス部門のノミニーのうち、3組がかぶってますが、やはりここでもセント・ヴィンセントの存在感は強く、今回のアルバム自体その前2作のエレクトロ的だったところから、骨太のロックに力強く回帰したということで評価も高かったし、ここもセント・ヴィンセント本命◎は動かせないところでしょう。
そして同様にメディアに評価の高かったニック・ケイヴのアルバムに対抗◯を、と言いたいところですがここでいきなりグラミー・ダーリンのブリタニー・ハワードが登場してるのが大いに気になります。一応対抗◯はブリタニー、そしてニック・ケイヴには申し訳ないけど穴✗で勘弁してもらうことにしましょうか。
ということで取り敢えずロック・オルタナ部門完了。次はR&Bに行きます。ああ忙しい。