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7/31センジュ出版対話型講演会に参加して
毎月どこかで形を変えて開催されるセンジュ出版の対話型講演会。7月は足立区の特殊印刷所、安心堂さんの代表取締役である丸山有子さんが主催をされました。
テーマは「生きてきてよかった〜13歳のわたしへ〜」
最初に、丸山さんが13歳の頃に経験されたお話を伺い、その後で、吉満明子さんの講演、そして1時間以上にわたる、参加者の感想シェア、という構成でした。
センジュ出版の対話型講演会は、各回毎に主催が異なり、主催の人柄、テーマによってその内容もガラッと変わるのが特徴です。
そして、対話型の名の通り、参加者一人一人の感想に対して、主催の丸山さん、吉満さんが返答し、そこに対話が生まれていきます。
主催も、センジュ出版内部の人ではなく、その本や吉満明子さんの魅力に惚れ込んだ一読者たちが、名乗り出て運営しています。
今回も、やさしく、熱い丸山さんの人柄が存分に出た講演会となりました。
以下、感想になります。
13歳の自分は、どうだっただろうか?
冒頭、丸山さんのお話を聞きながら思い浮かべる。
母の病、祖父の病、オンラインゲームへの目覚め、漫然と勉強を続ける意味への懐疑、自分の中に「哲学」というものの種が宿ったのは、もしかしたらこの時期だったかも知れない。
大荒れだった中学時代に、逃げた場所は本の中だった。
少しずつ将来の進路が見え始める年齢、市内の進学校には大して苦労もせず入れることが見えてから、勉強が嫌になった。
なんとなく勉強して、なんとなく良い学校に行って、そして何になるんだ?
これ以上の努力をしても、天井が見えているのなら、現状維持で良いじゃないか。
そう思っていた。ゲームにはまったのはそれが楽しかっただけじゃなく、漫然と敷かれたレールを歩み続ける事への抵抗だった。
若かったからだけでなく、地方の一公立中学校で見える世界は、思っている以上に狭いのである。
オンラインゲームは、その世界に空いた風穴の一つだった。
岡山の法学生、東京の同人声優、会社員、鳶職、普段出会わない大人達がその箱の中にいた。
残り短い命を、ゲーム内の自己実現に捧げた人のことも知った。
奇しくもその出会いが、僕を医療に向かわせたきっかけの一つとなった。
また一方で、世界を拡張してくれたのが本だった。中学時代が、一番沢山本を読んだように思う。本を読み進めるのが楽しみで、勉強の合間に本を開いては、続きを貪るように読み続けた。
頭の中に広がる世界は、どこまでも自由だった。
物語の主人公達が、かっこよく生きるすがたに次々に影響され、どんどん夢が変わった。
今は消してしまったけど、幼稚ながらもブログを書いて、自分の意見を発信する楽しさも知った。
講演会に参加して、そんな事柄を久しぶりに思い出した。
世の中のことを二つに割りきるのは難しい
親からすればゲームは悪、勉強は善だろうか
僕はゲームで経済を、人生の仕組みを、そして自分の命の意味を教わった。だから抜け出してきた。人生自体がゲームそのものになった。
偏差値の高い学校は、本当に良い学校だろうか。
良い学校の先に待つものは、本当に良い人生だろうか。
思春期の反抗は、問いから始まるのだと思った。
「当たり前」として教わってきた事への懐疑
「常識」とされてきたレールを検めることが、本当の意味で創造的な人生に実は繋がっているのではないだろうか。
少し前まで、親を恨んでいた。条件的にはかなり恵まれていると頭では理解していたのに、感情がそれをはねのけていた。
静まった心で、よく考えると、親に恨みを抱くときの自分はいつも何かに追われ、余裕をなくしていた。
今回の講演会の中で、吉満明子さんから「あなたが苦しかったり哀しかったりするときは、どんな時ですか?」という問いが参加者に投げかけられた。
そこでようやく気づいた。あのときの自分は確かに、苦しかったのだと。
文明社会に生きる人間として日々やるべき事は果てしなく多い。退屈するどころか、次々とこなす課題は目の前に提示され、尽きるところがない。
だからこそ、じっと立ち止まって、自分を検める時間が必要になる。自己との対話の時間が。
それを与えてくれたのがセンジュ出版の本や講演会だった。
人間、あるタイミングになるとどうやら色々なことが気になりだしてしまう。
自分の人生の意味とは何なのか。何が自分にとって一番幸せなのか。
はたらく、とはどういうことか。お金とは何だろうか。
小さい頃、何が好きだっただろうか。自分の感性は今、何をとらえているだろうか。
こうした問いこそが、ゆたかさへ繋がる扉に、手を掛ける行為なのかなと、今は感じている。
問いと対話の時間が必要なあなたに。8/11お待ちしております。