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転職と副業のかけ算|読書

サラリーマンや学生の間では多くの方に読まれているmotoさんの「転職の副業のかけ算」の感想です。

motoさんは1987年生まれということで、同学年です。
そのため、(他人より過去の自分と比較すべきではありますが)つい今の自分と比べてしまいます。本当に尊敬します。
motoって何?と調べたら、転職を繰り返して「元○○の人」、と呼ばれることが多いから「moto」さん、だそうです。笑

本書がヒットする理由はなんとなくわかります。私の世代は、就職活動期にリーマンショックが発生し、それまでの売り手市場は一変。さらにブラック企業、社畜という言葉も生まれ、年功序列・終身雇用も難しくなり、独立・起業することに価値が見いだされ、もてはやされました。

その後、独立・起業ブームが一巡し、時代は令和。「人材不足」と「働き方改革」によりビジネスパーソンが働く場所を選べるような環境の整備、「副業解禁」により再びサラリーマンとしての働き方が再注目されてきたタイミングで、発行されたのが本書です。著者の年齢が若いことも影響力を高めていると思います。

なぜ、転職と副業をするか

著者のmotoさんは「年収を高めること」に高い価値観を持ってらっしゃいます。Twitterなどでよく「お金お金してる」と言われているようですが、元々「お金(高収入)に高い価値を置いている方」なのだと思います。そのことは本書でも明言されており、転職理由は「年収を上げたいから」とはっきり面接の際に伝えていたそうです。年収を高めたい!誰もが持つ憧れで、当然のことです。
さらに、サラリーマン収入とは別に収入の手段を得るために副業としてのブログ運営をされています。
このように、著者のすごいところは年収UPという目標のために、何をすべきかを明確にして、遂行していることです。

本書は単に年収UPや転職スキルだけでなく、仕事で成果を出すためのエッセンスや、自身の価値を高めていく視点を得られるため、多くのビジネスパーソンにおすすめです。難しい言葉もなく、読了までにかける時間も少ないです。

自分の市場価値を高める

「自分の市場価値を高める」こと。それが本書のキーワードだと思います。
どうすれば収入を高められるか。その答えになっています。では何をもって市場価値とするか。著者はそれを「組織の成長をけん引できる人」だとしています。自分が成長できるかだけでなく、自分がその組織を成長させるという視点が重要、ということですね。
それは、会社を成長させることが自身の成長につながる、相乗効果を発揮するのが良いということだと思います。
また、市場価値という言葉の通り、社内評価よりも市場評価に重点を置いている点が、これまでイメージされてきた「サラリーマンの姿」と異なる点だと思います。これから加速していくと思われる、人材の流動化に着目していることが覗えます。

他に「軸ずらし転職」「自分株式会社」というキーワードもありますが、私が1つ選ぶとしたら、この『自分の市場価値を高める』です。


転職

本書のメインテーマの一つ転職ですが、著者は転職ありきではなく、手段の一つと考えているようです。今いる会社で出世することも選択肢としています。以下は、転職の章で私が心に残った内容です。

【1】転職市場で自身の価値を高める力は、①論理に、②物事の構造を把握し、③課題を抽出して、④対応策を仮説を立て説明し、⑤組織として実行できること
【2】どの環境でも同じパフォーマンスを発揮できる「再現性」が大事だ、そのためにこれまでの「振り返り」が重要な作業になる。
【3】転職は現在の仕事が絶好調の時に活動するべき。タイミングは間違いのないように気を付ける。

他にも具体的な職務経歴書の書き方や転職エージェントの活用方法など具体的に記載されています。

副業

もう一つのメインテーマは副業。これは分量としては少ないのですが、「自身の市場価値を高める」という視点でいうと、この章の考え方も重要になってくると感じます。印象に残った内容は以下です。

【1】自身が得ている経験を活かせるものを選ぶ
【2】売上目標を決める
【3】メリットとして経済基盤確保と、本業に余裕が生まれることがある

著者は副業としてブログ運営以外にもいろいろやっているようですが(←適当ですw)最初の副業としてブログを勧めている理由は初期コストが低く、労働集約型でないことがメリットが大きいから、としてます。つまり、あくまでサラリーマンであることを前提にしています。そして2つを掛け合わせて経験値を上げていき、さらに自分の市場価値を高めることができる、という本書のタイトルにつながります。

最後に

本書は今後のビジネスパーソンの新しい働き方を示してくれています。本業で得た知見を、副業に活用し、副業の経験を本業の成果につなげて、さらに本業の組織を成長させていく。
いずれそうなる、というより外圧により、そのような働き方を迫られる日もすぐそこかもしれませんね。


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