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【オンラインショップ更新】特集 きかんしゃの絵本
こんにちは!
古本とがらくた paquet.オンラインショップ更新のお知らせです。
商品はすでにショップに掲載されていますが、購入可能になるのは今夜21時です。
今回はあらゆる「のりもの」を扱った作品のなかでもとくに名作が多い印象の「きかんしゃ」にまつわる絵本と洋書を紹介しようと思います。
新型コロナの感染状況は日に日にわるくなるばかりで、安心しておでかけできない日々が続いていますね。
わたしも電車に乗ってでかけたり、旅行をしたりするのが好きですが、今は不要不急の外出を控え、必要な外出は自家用車を使ってしています。
繁華街ではたらいていたころ、人でいっぱいの通勤電車に乗るのは本当にいやでしたが、今は混雑した駅を平気で歩けた世界にはやく戻ってほしいです。
流行が終わるまで、もう少しの我慢。そう思って外出を控えているたくさんの人たちへ。
paquet.は選書でささやかな提案をしたいと思います。
「のりもの」を題材とした絵本には傑作が多く、人気もあるので頑張って集めているのですが、今回はだれもが空想のなかで汽車の旅をたのしめるような、ロマンある「機関車」が登場する作品を選んでみました。
読んだ後は、来年はどこへ行きたいか考えるのもたのしそうですね。
それでは紹介していきます。
「小さな きかんしゃ」
グレアム・グリーン
文
エドワード・アンディゾーニ 絵
阿川弘之
訳
1975年11月20日 文化出版局 発行
まずはイギリスから、世にも勇敢なちびきかんしゃの物語を。
イギリスを代表する小説家グレアム・グリーンが文を、「チムシリーズ」で人気を博した絵本作家エドワード・アンディゾーニが絵を描いた「小さな きかんしゃ」は、イギリスの田舎町の支線を走る「ちびきかんしゃ」が自分の持ち場をたいくつに思って、急行列車の走る本線へとくりだす冒険物語です。
「自由だ、自由だ。ぼく自由、ぼく自由。」
ちびきかんしゃはそう叫びながら煙を吐いてでかけますが、駅では大さわぎ。
「ちびを止めてくれ。たいへんだ。ちびきかんしゃがにげていく!」
自由になったちびきかんしゃは、都会で何を見るのでしょうか?
この絵本には手描きのかわいい地図が描かれたページがあって、ちびきかんしゃが走ったところを指でたどることができます。
架空の地名には古き良きイギリスらしさが感じられ、小説家、阿川弘之さんが手がけた訳もすてきな、大人が読んでもたのしい絵本です。
「きかんしゃ ホブ・ノブ」
ルース・エインズワース
作
上條由美子 訳
安徳 瑛
画
1985年8月1日 福音館書店 発行
原題は「HOB NOB」
表紙に描かれた赤い機関車の名まえです。
やさしいホブ・ノブがひく貨車には、動物たちが次々に飛びのってきます。
こひつじ、いぬ、ねこ、あひる、めんどりにしちめんちょう。
みんなで遊園地へいくのです。
繰り返しの技法を用いたストーリーは単純で親しみやすく、1961年にイギリスで初版が出版されてから80年が経つ今も世界中で読み継がれる名作となりました。
上海出身の日本人洋画家、安徳瑛による画は絵本らしいかわいらしさがありつつも独特の持ち味を余すところなく発揮しており、白い背景に際立っているよう。
読み聞かせにもおすすめの一冊です。
「プレーリータウン」
ボニー・ガイサート
文
アーサー・ガイサート 絵
久美沙織 訳
2000年5月20日 BL出版 発行
「1900年代のはじめ、いくつかの会社が、アメリカの広大な土地に鉄道線路を通しました。新しい線路ぞいの草原に工事のひとが最初のくいを打ちこんだなら、それが「プレーリータウン(大草原の町)」の誕生です。」
ページをめくると、広い空の下、草原のまんなかを走っていくカラフルな汽車があらわれます。牛や羊、トラクターと農業にたずさわる人々。一枚の草原の絵から、プレーリータウンの生活を想像することができます。
実はこの絵本の紹介は、これでおしまいです。
この絵本は、先に挙げたような機関車が主人公の物語ではなく、鉄道の走る草原の町の一年を文と絵であらわした絵本です。
作者のボニーとアーサーは夫婦で、このほかにもアメリカの古い町の暮らしを描いた絵本を多数手がけています。
文・絵ともにのびのびとした筆致で描かれた、個人的に大好きな作品。
一見すると小さな子にはむずかしそうですが、季節がうつりかわるようすや人々の行動から自由に物語を作ってたのしむことができるので、想像力を育むことにも一役買ってくれるのではないかと思います。
手に取られた方はぜひ、最後のページに描かれた景色がどこから描かれたものなのか考えてみてくださいね。
「いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう」
バージニア・リー・バートン 文・絵
むらおか はなこ
訳
1961年8月1日 福音館書店 発行
続いてアメリカ絵本の名作!
「いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう」は、バージニア・リー・バートンが彼女の長男であるアリスのために描いた絵本としてしられています。
まっくろくてぴかぴかのきかんしゃ“ちゅうちゅう”は、ある日重い客車をひくのがいやになって、ちゅうちゅうをかわいがってくれる機関士のジムと機関助士のオーリー、車掌のアーチボールドの目をぬすみ、線路をひとりで走り出してしまいました。
しゅっしゅっしゅっ!しゅっしゅっしゅっしゅっ!
ちゅうちゅうはどんどんスピードを上げ、止まろうと思っても、もう止まれません。
丘を越え橋を渡り、走りつづけるちゅうちゅう。そのうちに夜になって、ちゅうちゅうはもう何年も使っていない、古い線路に迷い込んでしまいます。
一方で、ちゅうちゅうのあとを追いかけるジムとオーリーとアーチボールド。三人がくたびれているところに、最新式の汽車がやってきます。
本文がすべてモノクロのこの絵本は石炭のような画材でラフに描かれているのですが、表紙は朱色、見開きは水彩のパステルカラー。
おしゃれな装丁も魅力の、バージニアらしい作品だと思います。
最後の一冊は今日も洋書をえらびました。
レトロな汽車の情報がぎゅっとつまった特別な図鑑を紹介します。
「TRAIN」
John Coiley 著
1992年 Dorling Kindersley(イギリス)発行
ロンドンの出版社、DK社(A Dorling Kindersley Book)からThe National Railway Museumの協力で出版されたジョン・コイリーによる汽車の本。
蒸気機関車の歴史から電車旅のスタイルまで、汽車や鉄道にまつわるあらゆるモノ・コトが貴重な写真資料とともに収録されています。
国立の鉄道博物館が監修しているだけあり、歴史に基づいた真面目で専門的な内容ですが、古い汽車まわりのモノ(切符や整備に使う道具、線路に設置するサインや、寝台列車の客室のようすなど!)は鉄道にかんする知識がほとんどないわたしの目にもレトロでかわいらしく、眺めているだけでたのしい本でした。
全ページにビジュアル資料が満載なので、まだ英語が読めなくても鉄道や汽車に興味がある子にとっては至高の一冊だと思います。
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