「バッタを倒しにアフリカへ」
今日は本がたくさん売れました。このポジティブな言葉でこのブログをはじめられる日は早々多くはありません。
そして今日は以前から少しづつ読み進めていた「バッタを倒しにアフリカへ」をついに読了しました。この本は昆虫学者が書いた本であるにも関わらず、内容としてはほぼエッセイ。凄く読みやすいし、何よりも面白い。普段はイライラするような待ち時間も、この本があれば楽しい時間を過ごせました。
とはいえ、この本が話題になっていたのは結構前で、2018年に新書大賞を受賞しています。現在は2024年なので話題になっていたのはおよそ6年前。なぜ今年になってから店主が読もうと思ったかというと、古本屋で売れなくなったからです。そんな本は、古本屋の店主にとって読み頃です。安心して自分の読書用として拝借しました。
ただ、読み終わってからすぐに気がついたのですが、バッタの研究をする学者さんが書いた本にも関わらず、バッタの生態についてはほとんど触れられていません。いつになったら…と思って読み進めていたら、そのまま終わりました。ちょっとビックリ。でも、文章は抜群に面白かったです。本当に頭がいい人なんだろうな…と思います。
では、この本で知ることが出来るのは何かというと、学者さんの生態とモーリタニアの文化です。我々庶民にとって、学者さんが普段どんな研究をしており、どうやって収入を得ているかは想像もつきません。バラエティーテレビ番組に動物学者や昆虫学者が出てくることはありますが、それ以外に普段私たち庶民が学者さんを見かける機会はありません。
なので、この本を読めば学者や研究という世界、そしてモーリタニアの文化を知ることができます。しかも、面白くエネルギッシュに、優秀な学者ブロガーの目を通して。
というわけで、この本を一言で紹介するならば、『アフリカに向かった昆虫学者のドタバタ奮戦記』です。昆虫の話はそこそこですから。
この本を読み終わった人に、「どんな人におすすめたいか」と質問をすれば、おそらく多くの人が「学生に読ませたい」と答えると思います。きっと学生が読んだら昆虫に興味を持つでしょうし、学者にも憧れることでしょう。自分が興味を持っている分野を研究することが仕事になったり、本になって稼ぐことができるなら、おそらく多くの若者が勉強を頑張るかもしれません。
というわけで、私たち大人にとっても、この本を読むことは良い事だと思います。百聞は一見にしかずです。本好きの人であればもう既に読んでいるかと思いますが、まだ読んでいないという方であれば、ぜひ本書を読んで楽しんで、若者におすすめ本として紹介していただけたらと思います。