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中国がロシア崩壊後に領土を狙っているというニュースは、戦国時代を連想させる

今日の夕方、興味深いニュースを目にしました。ウクライナの英字紙「キーウ・ポスト」電子版に掲載された記事を紹介した、ジャーナリスト木村太郎さんのレポートです。

要約すると、「中国がロシアの領土を狙っているぞ」という内容です。もう少し具体的に書けば、「もしロシアがウクライナ戦争に負けて崩壊するようなことがあれば、習近平がロシアの領土を奪うかもしれない。その準備としてロシアの地名を中国式に呼び替えている」というものです。

ただ、世界の歴史的に考えれば、弱っている国の領土を隣国の強国が奪うのは当然の事なんですよね。今の時代を生きる我々日本人にとっては青天の霹靂でしょうが、世界はまだ戦国時代が続いていると考えることができるかもしれません。

ググッて調べてみたら、ウラジオストックなどの元清国領土がロシア領になったのは清国が破れたアロー戦争(1856年~1860年)以降でした。記事にも書いてありますが、戦争が終わり、北京条約が締結される前のウラジオストックは海参崴という名前の清国の領土でした。ゆえに、中国は土地を取り戻す権利があると考えているのかもしれません。

しかし、ここで1つ店主は重大な事実に気がつきました。

ウラジオストックなどがロシア領に編入される前までは、清国は日本海への出口(港)を持っていたという事実です。つまり、清国は朝鮮半島を挟み、日本海と東シナ海という2つの海で日本と接していた。

そして、もし現代においてウラジオストックが中国の領土となれば、日本の外交や国防を考えると、とてつもなく大きな影響があると考えられます。現在、尖閣諸島で中国船舶の領海侵入は頻発していますが、今後、日本海でも同じようなことが行われないという保証はありません。また、中国は津軽海峡を通って太平洋に・・・という野望も当然あるでしょう。

店主は中国を嫌う訳でもありませんし、共産党万歳でもありません。どちらかというと現実的で日和見主事者です。中国が再び日本の宗主国になる可能性もあると考えています。しかし、だからこそ歴史的な事実を学びたい。

かつて日本は満州国設立という形で中国に関わりました。その反省も忘れてはいけないと思います。しかし、それと同じくらいロシアと中国の歴史的関係性をも学び、両国の国民感情を理解し、現実的な判断ができるように準備すべきだとも思います。ネガティブなイメージから目を背けず、冷静に対処した方がいいのではないかと思います。

国際問題を扱った本を読めば外交はシリアスなものだということがわかりますし、歴史の本などを読めば中国やロシアが領土に貪欲だということもわかります。そして世界は戦争の悲劇を繰り返しているということもわかります。

本から学ぶ情報は、ニュースで伝えられるリアルタイムの情報とはまた少し違った情報です。日本という私たちが住む国のことを考えれば、私たちにできること、私たちにとって大事なことは、何よりも本を読んで学び、もしまだ世界が戦国時代の渦中にあるのなら、それに対する知識を備えることではないでしょうか。日本は民主主義の国ですから。

最後に、福沢諭吉の言葉を引用したいと思います。

およそ国民たる者は一人の身にして二ヵ条の勤めあり。その一の勤めは政府の下に立つ一人の民たるところにてこれを論ず、すなわち客のつもりなり。その二の勤めは国中の人民申し合わせて、一国と名づくる会社を結び、社の法を立ててこれを施し行なうことなり、すなわち主人のつもりなり。

「学問のすすめ」より

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