レティシア書房店長日誌
安藤サクラ主演「BADLANDS」はメチャクチャおもろい!
コテコテの関西弁まるだしの刑事やら、品のない悪党がワンサカ登場する黒川博行のクライムサスペンス「勁草」が映画化されました。小説はすべて読んでいる作家の映画化だけに、期待と、どうなのか?という気持ち半々で観ました。
しかし、これがもうメチャクチャにおもろい!マシンガンのように飛び出す関西弁、ダークヒロイン&ヒーローを美化したり持ち上げたりすることもなく、最後までクソ人生を全うする登場人物たちのかっこよさ。満点の映画でした。
冒頭のシーンから異様なテンション。安藤サクラ演じる橋岡が、黒いキャップを深めに被り、ビリヤード場”BADLANDS"で、特殊詐欺グループの名簿屋の高城から次のターゲットの指示を受けるシーンから、二人の関西弁の絶妙なテンポで映画の世界へと引きずりこまれます。
橋岡は、特殊詐欺グループの受け子のリーダーで、度胸も実力もあり、頭の良い女性です。映画は彼女の犯罪生活を追いかけて、落ちこぼれた人間がたむろする彼女が生きている世界をリアルに描いていきます。西成を中心に大阪でロケされていて、その界隈の雰囲気が効果的に使われています。
原作では主人公は男性なのですが、脚本・演出の原田眞人が女性に変更したことで、映画全体に深みが増し、そして、このアンダーグラウンドの世界で安藤サクラが生き生きと動き回ります。その躍動感は、ラスト、西成の街中を疾走するところまで続きます。心の中で拍手しました。安藤サクラなくして、この映画はなかったと思います。
映画評を見ていると、会話が聞き取れなくて物語がわからない、という意見がいくつかありました。あほんだら、関西弁ちゃんと勉強せんかい、と言いたくなりました。(あ、映画の影響で言葉が過ぎました。)年老いた元ヤクザで登場する宇崎竜童が、ごっつカッコイイ!!のです。ラスト、ふっと微笑みながら倒れるシーンは忘れられません。
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