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レティシア書房店長日誌

永井宏 アートと写真展 「愉快のしるし」

 故永井宏のアート作品&写真展が始まりました。1951年東京生まれの美術作家永井宏は、70年初期ぐらいから写真、ビデオ、ドローイング、インスタレーションなどの作家活動を始めます。80年代には「BRUTUS」(マガジンハウス)などの編集に関わりながら作品を制作。92年、神奈川県葉山に転居し、92年から96年、葉山で生活に根ざしたアートを提唱する「サンライト・ギャラリー」を運営します。創作活動の傍ら、各地でポエトリーリーディングの会やワークショップを開催。ミュージシャンとしても活躍し、女優の片桐はいり等とステージに上がっていました。(観たかった!)出版活動も旺盛で魅力的なものばかりでした。
 

しかし2011年4月12日に永眠、59歳の若さでした。今回、作家と交流のある出版社信陽堂さんのご協力を得て、彼のアート作品16点、写真作品6点(こちらはすべて販売中)、そして1970年代、彼がアメリカ西海岸にいた頃の写真作品(非売品)等を並べた展覧会です。どの作品にも独特のセンスの良さが光っていて、楽しくなります。まさに「愉快」!!
「愉快なことを発見すること。それが毎日を心地好く過ごすコツ。どんなことかというと、まず本を読むこと。面倒と思わずさまざまな本を読み始めると、やがて文字を読んで想像を巡らすことが楽しくなってくる。そうなれば、その時間を作ることがひとつの楽しみにもなり、自分だけの世界に浸る入り口になっていく。心落ち着く時間を手に入れると言うことだけど。」作品の間に、こんな「愉快」の言葉が散りばめられています。
 私は、永井宏の「夏の家」「雲ができるまで」(97年)「モンフィーユ」(2005年)を読んで引き込まれました。書店「Title」店主の辻山良雄さんは、著書「ことばの生まれる景色」(古書1900円)で取り上げこう書いています。「とても気持ちのよい文章だ」と。
 

身のまわりの小さな出来事を見つめることで、日々の暮らしがかけがえのない時間に変わるという哲学を実践していました。日々起きる小さな出来事や、ささやかな幸せを大切にしてゆくアーティストでした。2000年代に入って次々に生まれた、いわゆる「暮らし系」メディアの元祖だったと言ってもも過言ではないと思います。
 著作「雲ができるまで」「愉快のしるし」「夏みかんの午後」、などを発行した信陽堂さんの最新作の高山なおみ「毎日のこと」や、その他の本もズラリと並んでいますので、ゆっくりご覧ください。

●レティシア書房ギャラリー案内
10/16(水)〜10/27(日)永井宏「アートと写真 愉快のしるし」
10/30(水)〜11/10(日)菊池千賀子写真展「虫撮り2」
11/13(水)〜11/24(日)「Lammas Knit展」 草木染め・手紡ぎ
⭐️入荷ご案内
GAZETTE4「ひとり」(誠光社/特典付き)1980円
スズキナオ「家から5分の旅館に泊まる」(サイン入り)2090円
「京都町中中華倶楽部 壬生ダンジョン編」(825円)
「てくり33号ー奏の街にて」(770円)
「アルテリ18号」(1320円)
「オフショア4号」(1980円)
「うみかじ9号」(フリーペーパー)
小峰ひずみ「悪口論」(2640円)
青木真兵&柿内正午「二人のデカメロン」(1000円)
創刊号「なわなわ/自分の船をこぐ」(1320円)
加藤優&村田奈穂「本読むふたり」(1650円)
オルタナ旧市街「Lost and Found」(900円)
孤伏澤つたゐ「悠久のまぎわに渡り」(1540円)

森達也「九月はもっとも残酷な月」(1980円)
小峰ひずみ「悪口論」(2640円)
オルタナ旧市街「Lost and Found」(900円)
TRANSIT 65号 世界のパンをめぐる冒険 創世編」(1980円)
SAUNTER MAGAZINE Vol.7 「山と森とトレイルと」

いさわゆうこ「デカフェにする?」(1980円)
「新百姓2」(3150円)
青木真兵・光嶋祐介。白石英樹「僕らの『アメリカ論』」(2200円)
「つるとはなミニ?」(2178円)

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