letter from books selva05

 5月は総じてヒマだった。ああ、ヒマだ、ヒマだ。ヒマ過ぎて嫌になるが、どうしようもない。こんな時は、スチャダラパーの名曲「ヒマの過ごし方」を大音量で聴くしかない。なんど聴いてもいい曲だ。
 店でヒマな時にすることといえば、読書。読む本はたくさんある(あり過ぎて困るくらいだ)。最近読んだ本が目の前に並んでいる。列挙してみよう。『思想としてのアナキズム』(森元斎編)、『DJヒロヒト』(高橋源一郎)、『パンクの系譜学』(川上幸之介)、『吹きさらう風』(セルバ・アルマダ)、『塵に訊け』(ジョン・ファンテ)、『生きていること』(ティム・インゴルド)、『恐るべき緑』(ベンハミン・ラバトゥッツ)──。一生棒に振りたくはないが、ヒマなので割とよく読んだ。今、読んでいるのは『万物の黎明』(デヴィッド・グレーバー&デヴィッド・ウェングロウ)と『過去を売る男』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)の2冊。「人類史を根本からくつがえす」との帯が付された『万物の黎明』。これは読まないわけにはいかない、と思ってから半年。ようやく読み始めた。まだ60ページほどだが、たしかにおもしろい。何がおもしろいかって。たとえば……

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