letter from books selva04

 雨ばかりで気分が沈む。毎年4月はこんなに天気が悪かったっけ?と思い、気象庁HPで鹿児島市のデータを見てみた。2023年4月は28日の時点で、日照時間が10時間を超えたのは11日あった一方、ことしはたったの5日。日照時間で見ると、2022年4月は193時間、23年は174時間、ことしは28日まででたったの104・1時間! そりゃ、気が滅入る。太陽が恋しい。
 4月22日はアースデイだった。店の黒板に何を書こうかと本棚を見回していると、この1冊が私に囁きかけてきた。『超高層のバベル 見田宗介対話集』(見田宗介)。本には見田の対話者として、河合隼雄、大岡昇平、吉本隆明、石牟礼道子などが登場する。さて、誰との対話にしようか。特に意味もなく、文芸評論家の加藤典洋との対話を読んでみた。そこで見田はこんなことを言っている。

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